オーダースーツおすすめ完全網羅 比較ランキング50店 > コラム > イギリス生地の魅力とは? その歴史と特徴を徹底解説。
スーツやジャケットをオーダーするとき、生地の選択は重要なポイントです。生地によって着心地や見た目、耐久性などが大きく変わります。生地の産地として有名なのはイタリアや日本もありますが、イギリスはスーツの発祥の地として知られており、その素材となる生地にも高い評価があります。イギリス生地はどのような歴史を持ち、どのような特徴を備えているのでしょうか。ここでは、イギリス生地の魅力について、その歴史と特徴を徹底解説します。
目次
イギリス生地の特徴は、その素材と織り方にあります。イギリス生地は主に羊毛を原料としており、その中でもメリノ種やシェットランド種などの高級品種が使われます。羊毛は保温性や吸湿性に優れており、寒冷な気候に適した素材です。また、羊毛は天然のタンパク質でできており、染色や加工がしやすいという特徴もあります。
イギリス生地は羊毛を使って織る際に、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)に双糸(そうし)を使うことが多いです。双糸とは、2本の糸を撚り合わせて1本の糸としたもので、目付がしっかりとしており、丈夫で高い耐久性があるという特徴があります。また、双糸はシワになりにくく復元力に優れており、スーツやジャケットに適した素材です。
イギリス生地は双糸を使って目の詰まった厚手の生地を作ることが多く、その結果バリッとした質感とシルエットが出ます。イギリス生地は男性らしいフィギア(体型)を強調するようなデザインに合います。また、イギリス生地は落ち着いた色味や柄が多くあり、クラシカルな雰囲気を演出します。
イギリス生地の歴史は、羊毛産業から始まりました。イギリスは、14世紀中頃に、羊毛の生産から毛織物の製造へと転換し、工業化への道を歩み始めました。イギリスの羊毛は、品質が高く、世界中に輸出されました。
イギリス生地の歴史は、サヴィル・ロウと密接に関係しています。サヴィル・ロウは、ロンドンのテーラー街で、1846年にヘンリー・プールが店を構えたことがきっかけで発展しました。サヴィル・ロウのテーラーたちは、ビスポークと呼ばれる手仕立ての技法を用いて、高級なスーツや礼服を作りました。サヴィル・ロウのテーラーたちは、自分たちで生地を選び、注文することができました。
また、イギリス生地の歴史は、ハダースフィールドという地域にも大きく影響されました。ハダースフィールドは、イギリスの中部にある毛織物産地で、豊かな自然の恵みに育まれた一大毛織物産地として世界中にその名を知られています。ハダースフィールドには、テーラーロッジやフォックス・ブラザーズなどの名門織物メーカーが集まっており、高品質なウールやカシミアなどの素材を使って、伝統的な工法で生地を作っています。
世界中で高い評価を受けているイギリス生地。その魅力は、優れた品質と職人技術にあります。
イギリス生地の品質は、原料から織りまで厳しい基準に基づいて作られています。イギリスでは、伝統的に羊毛産業が盛んで、高品質なウールを産出してきました。特に、ハダースフィールドは、イギリス生地の聖地と呼ばれ、多くの名門織物メーカーが集まっています 。
ハダースフィールドの生地は、経糸と緯糸の両方を双糸(2本の糸を撚り合わせた糸)で作ることが多く、厚みやハリがあります 。また、しっかりと織られており、耐久性が高いことも特徴です 。シワになりにくく復元力に優れています。色や柄は落ち着いたテイストや伝統的なものが多く、クラシカルな雰囲気を演出できます 。
イギリス生地の職人技術は、長年の経験と知識に裏打ちされています。前出のサヴィル・ロウというテーラー街では、貴族や政治家などの注文服を作ってきました 。サヴィル・ロウのテーラーたちは、ビスポークと呼ばれる手仕立ての技法を用いて、立体的でフィット感のあるスーツを作ります 。そのためには、分厚く硬いイギリス生地が適しています 。アイロン操作で生地を形成することで、男性らしいフィギア(体型)を強調するようなデザインが可能になります 。
ここではイギリス生地の代表的なメーカーをご紹介いたします。
テーラーロッジは1883年にイギリスのウエストヨークシャー州ハダースフィールドにて創業しました。ハダースフィールドは英国服地の聖地と呼ばれるほど、高品質な毛織物の産地です。テーラーロッジはその中でも世界中の有名アパレルブランドからオーダーを受ける名門メーカーの一つです。
テーラーロッジの生地は、伝統的な英国生地の特徴や製法を守りながら、現代的な感性や技術を取り入れています。そのため、ハリとコシがありながらも軽くしなやかで、光沢感や肌触りが優れています。また、色や柄も英国らしいクラシカルさとファッショナブルさが調和したものが多く、大人の装いにぴったりです。
テーラーロッジの生地は、厳選された原料を用いて糸から作られています。その糸を織る際には、スピードを約7割まで落とした自動織機を使用しています。これは生産量を減らす代わりに、生地のクオリティーを高めるためです。
また、織り上げた生地は昔ながらの技法であるペーパープレスという工程を行っています。これは水を含ませた生地の間に厚紙を挟み込み、電流と油圧でプレスするという手間のかかる方法です。この工程によって、ウール地に深みのある上品な艶が生まれます。
代表的な 生地をいくつか紹介します。
春夏向けの生地で、サマーキッドモヘアとウールをブレンドしたものです。サマーキッドモヘアは山羊の最初に刈り取られる毛で、軽さと涼しさを感じさせる仕上がりになります。またウールもスーパー120’s原毛を用いており、生地のハリとしなやかさがあります。
秋冬向けの生地で、ラムズゴールデンベイルとウールをブレンドしたものです。ラムズゴールデンベイルは厳選されたウール原毛から特別な製法で紡いだ糸で、希少性が高く高級感があります。ウールもスーパー160’s原毛を用いており、生地の光沢と肌触りが優れています。
春夏向けの生地で、3本の糸を撚り合わせた強撚の梳毛糸を使用した平織物です。多孔性なので風通しの良い着心地となり、さらさらした感触と皺になりにくいハリのある仕上がりが特徴です。
アーサーハリソンは、ハダースフィールドで創業されたメーカーです。ハダースフィールドはペナイン山脈の東の麓にあり、ハンバー川の支流に面しているという地理的特徴があります。豊富なハンバー川の水を利用できるという自然環境の恩恵を受けて、19世紀以降羊毛工業の中心地として発展しました。
水質がヨーロッパに多い硬水ではなく軟水であることもあり、生地の柔らかい肌触りを実現でき、アーサー・ハリソン以外にも有名なミル(毛織物工場)が数多くあることで、知られています。
もともとは軍服を納めていたバックグラウンドがある、信頼のおけるブランドで、伝統的工法やトラディショナル・カラーや柄をコンセプトに、「着るほどに身体に馴染む素材」「飽きのこない、押し付けがましくない色・柄」「伝統手法による生産」による商品の開発と生産を行なっています。
アーサーハリソンの生地は、イギリスらしいしっかりとした触感で重みがあり、他のイギリスの生地同様、丈夫である特徴があります。着ていくうちに体に馴染んでいく生地は、気品ある光沢とソフトで力強い質感があり、派手さないが絶妙な色味を持っています。
他とは被らないオシャレ感が出せる、イギリスらしさ溢れる生地です。フォーマルブラックには特に定評があり、ベーシックながら高級感がある生地は、オーダーメイドスーツ初心者にもオススメです。
気候によって適した素材もあります。春夏素材は撚りを強くかけた撚糸を使っている特徴があり、ハリコシ感が抜群に良い着心地です。湿度の高い日本においては、かなり快適に着ることができます。
代表的な 生地をいくつか紹介します。
しっかりとしたハリとコシのある、英国らしさが楽しめるフランネル生地で、世界中でも高品質であると謳われています。
英国素材ならではのタテヨコ双糸による優れた耐久性と、しっかりとメリハリが利いた立体感のあるシルエットを生み出すことができる特徴があります。
厚地紡毛織物のことで、秋冬のフォーマルスーツ用やスーツ地などに用いられることが多い生地です。
スペインを原産としたメリノ種の羊毛を、ななこ織りを変形した織り方で織り上げた生地。バラシア組織といわれる、ひし形模様を生地の表面に浮き出させたデザインが特徴です。
毛羽立ち感の少ない生地で、フォーマル用服地の総称です。
ウィリアム・ハルステッドは、1875年にウィリアム・ハルステッド・シニアによって設立されました。彼は元々は羊毛商人でしたが、自分で織物工場を持つことを夢見ていました。彼はブラッドフォードのダッドリーヒル地区に工場を建設し、当初は主にインドや中国向けの生地を生産していました。彼は息子のウィリアム・ハルステッド・ジュニアとジョン・ハルステッドに事業を引き継ぎました。
1900年代に入ると、ウィリアム・ハルステッドは欧米や日本などの市場にも進出しました。特にモヘアとウールの混紡生地が人気を博しました。モヘアは南アフリカ産のアンゴラ山羊の毛で、光沢や強度が高く、皺になりにくいという特徴があります。ウールはオーストラリア産のメリノ羊の毛で、柔らかくて保温性が高く、通気性も良いという特徴があります。この二つの素材を組み合わせることで、快適さと高級感を兼ね備えた生地ができあがります。
第一次世界大戦や第二次世界大戦などの困難な時期も乗り越えて、ウィリアム・ハルステッドは常に品質と革新にこだわり続けました。1960年代には、ビートルズやローリングストーンズなどのロックバンドが着用したことで有名になったモヘア生地を多く生産しました。1970年代には、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維が流行しましたが、ウィリアム・ハルステッドは天然繊維にこだわり続けました。1980年代には、日本や韓国などの新興国の競争に対抗するために、最新の機械や技術を導入しました。1990年代には、環境保護や動物愛護の観点から、オーガニックコットンやエシカルウールなどの素材を取り入れました。
現在、ウィリアム・ハルステッドは、5代目のウィリアム・ハルステッド・ジュニアによって率いられています。彼は父親のジョン・ハルステッドから事業を引き継ぎました。彼は自社の工場で織物と仕上げを行うことで、品質管理と原料から仕上げまでの生産工程を垂直統合しています。また、グループ会社から糸を入手することで、コストやリードタイムを削減しています。彼は伝統を守りながらも、時代のニーズに応えるために、新しい素材やデザインを開発しています。
代表的な 生地をいくつか紹介します
高級ウールの梳毛織物で、目付は春夏用にしてはやや重めですが、とても丈夫で清涼感・通気性と防皺性に優れています。見た目はシャリ感がありますが、着用すると柔らかく馴染みます。色柄はベーシックでクラシックなものが多く、ビジネスシーンに最適です。
高級ウールの梳毛織物で、柔らかく軽い手触りの夏用高級スーツ地です。目付よりも爽やかさを感じる素材で、ウールが湿気を外に放出することで着用時に涼しさを保ちます。色柄は明るくカジュアルなものが多く、夏場のオフィスやパーティーなどに適しています。
南アフリカ産のアンゴラ山羊の毛で作られた生地で、光沢や強度が高く、皺になりにくいという特徴があります。ウールと混紡することで快適さと高級感を兼ね備えます。色柄はシックでモダンなものが多く、フォーマルな場面や旅行などに適しています。
高級ウールの梳毛織物で、肉厚な生地ながら表面温度を快適に保つことができる通年快適に着用できる生地です。見る角度によって色合いが変わるユニークなサンドベージュカラーです。色柄はシンプルでエレガントなものが多く、ビジネスからカジュアルまで幅広く対応します。
高級ウールとキッドモヘアから成る少し透け感がある涼しげなジャケット地です。メッシュのような織り方で通気性が良く、軽くて柔らかい手触りが魅力です。色柄は爽やかでカラフルなものが多く、春夏のカジュアルなスタイルに合います。
古くからの英国織物に伝わる伝統的な生地で、厚手でしっかりとした秋冬スーツ地です。高級ウールの原料染めの双糸で織られており、耐久性とドレープ性があります。色柄はトラディショナルな英国調のものが多く、クラシックな雰囲気を演出します。
1930年代の伝統的な英国生地を再現したヴィンテージ風スーツ地です。高級ウールの太番手梳毛糸で織られており、ヘビーウェイトでしっかりとした秋冬スーツ地です。色柄はビジネスシーン向きにトラディショナルな英国調のものを多く揃えており、特に大きめのバーズアイはその特徴をよく表しています。
ウェインシールは、1807年にロンドンのサヴィル・ロウに店を構えた、英国のマーチャント(生地商社)として英国クラシックテイストを標榜するオーダースーツ生地の老舗です。200年以上の歴史と伝統を誇りながら、斬新でモダンな感覚も備えた生地を作り続けています。
ウェインシールは、英国の歴史上において、最初のマーチャント(生地商社)のひとつとされています。創業者はウィリアム・シールという人物で、彼は元々は羊毛商人でしたが、自分で織物工場を持つことを夢見ていました。彼はロンドンの中心地にしてビスポークの聖地であるサヴィル・ロウに店を構え、洗練された英国らしさをコンセプトにして、成熟した紳士のためのオーダースーツ生地を作り始めました。
彼は息子のジョージ・シールに事業を引き継ぎましたが、ジョージは父親と違って織物工場よりも生地販売に力を入れることにしました。彼は自分の名前ではなく、父親の名前と自分の妻の旧姓であるウェインを組み合わせて、「ウェインシール」というブランド名を作りました。彼は高品質な素材を多彩に開発し、デザイン面でも新鮮なコレクションを提供しました。
80年代から90年代にかけては世界中の名門テーラーから、その品質とセンスが高く評価されて名声を博しました。しかし2000年代から繊維・ファッション業界では世界規模での再編の動きが始まり、ウェインシールは大手マーチャントであるスキャバル社の傘下に入り、スキャバル・コレクションのひとつになりました。
しかしその後、ウェインシール復活を望むエンドユーザーのみなさまの熱い声が湧き上がってきました。それに応えて、2017年に見事単独のブランドとして復活しました。かつての英国クラシックテイストはそのままに、斬新でモダンな現代感覚をも感じさせる、時代にマッチしたクラシックコレクションを発信しています。
ウェインシールはさまざまな高品質素材を開発し、斬新なデザインのコレクションも多いのが特徴です。長い歴史と伝統を誇る英国服飾文化の格調を追求し、商品開発にあたっては品質優先で行ってきた歴史があります。現在のコレクションにおいても最高水準の生地を作るマーチャントとして、世界の名門テーラーが信を置いています。
めまぐるしくトレンドが変わりゆく時代にあっても、ヘリンボーンやバーズアイ、バンカーズストライプなどの定番柄は常に人気です。クラシックではあっても古典ではなく、その時代に合った「クラス感」を湛える、常に時代のニーズに答えられるオーダー生地ブランドといえるでしょう。
代表的な 生地をいくつか紹介します
タテヨコ双糸使いの綾織組織のオールシーズン生地です。コシがあってしわになり難い特徴があり、タフな着用にも十分に耐えられる頑丈さも持ち合わせています。
平織りの一種「フレスコ織」で、生地の目が荒くざっくりとした風合いが特徴です。シャリっとした手触りと通気性の良さが、高温多湿の日本の気候によくマッチする商品です。
かっちりとした風合いにより、イギリスらしさをしっかりと感じることができますが、風通しがよく軽いのが特徴です。無地・チェック・ストライプなどがあります。
フランネルよりも軽さがあり保温性撥水性もあるので、秋冬にぴったりです。柄も豊富でおしゃれでライトな着こなしになります。
クリソルドは、1910年にジョン・ヘンリー・クリソルドによってイギリス北部のウエストヨークシャー州ブラッドフォード近くのクレックヒートンという場所で毛織物製造業として創業しました 。クリソルドは、伝統を重んじる100年を超える歴史のある英国生地メーカーの中では珍しく、いち早く革新的な織機を取り入れ、生産性を上げるためのコンピュータ化された体制を整えるなど、技術面に多額の投資を行ってきました 。その結果、高品質のウールを使用し、素晴らしい艶と光沢、柔らかさと丈夫さを兼ね備えた生地を作り出しました。パターンも豊富で、チェックやストライプなどの遊び心のあるものが多くありました 。
クリソルドの生地は、高品質のウールを使用し、伝統的な織り方と革新的な技術を融合させて作られています。クリソルドの生地は、世界各国のテーラーやアパレルなど高級スーツメーカーにスーツ用生地の輸出をしており、2002年のサッカーワールドカップでは、イングランド代表チームの公式スーツの生地として採用されました。
クリソルドの生地の特徴は、イギリスらしいしっかりとした質感と作りと、細番手のメリノウールを使った軽さとしなやかさを両立していることです。また、デザインも豊富で、チェックやストライプなどの遊び心のあるパターンが多くあります。クリソルドの生地は、自分らしい一着に仕上げることができる魅力的な生地です。
クリソルドの生地は、季節や用途に合わせて選ぶことができます。軽くて滑らかな質感の「Super 160’s Wool」と、しっかりとした耐久性のある秋冬シーズン着用可能の「Super 100’s Wool」といった生地があります。
代表的な 生地をいくつか紹介します
超極細の繊維で織られている生地です。素晴らしい艶と光沢があり、滑らかな質感ときめの細かいふっくらとした風合いが特徴です。スーツに仕立てると、体を包み込んでくれるような優しい心地よさです。シワになりにくいのも魅力ですが、かなりデリケートなので、特別な機会に着用したい生地です。パターンも、チェックやストライプなどの遊び心のあるものが多くあります。
イギリスらしいしっかりとした質感と作りが特徴の生地です。高級ウールならではの光沢感と、柔らかな肌触りが楽しめます。耐久性も高く、秋冬シーズンに着用可能です。デザインも豊富で、カントリースタイルやジャケット・ストライプ地のブレザーなどがあります。
サヴィル・クリフォードは1899年に、ジョン・サヴィルとウィリアム・クリフォードの2人がビジネスパートナーとして創業した、イギリスを代表する老舗の服地ブランドです。イギリス中部のペニン山脈の麓、ウェストヨークシャー州にあるハダースフィールドを拠点に事業展開しています。ハダースフィールドは、良質な水が安定的に供給できるコルネ川とホルム川の合流地点近くにあることから、古くから毛織物の産地として栄えてきた土地で、他にもたくさんの素晴らしい生地メーカーが、事業を行なっています。
現在サヴィル・クリフォードは、高級生地商社で知られるスキャバル社の傘下にあり、イギリスの伝統的かつ現代的なテイストの美しい生地を生産しています。最新の設備を備えた工場で織り上げられる生地は、独自の製法へのこだわりがある服地メーカーです。
サヴィル・クリフォードの服地は織り組織の密度が高く、打ち込みの良さが特徴です。デザインは「英国らしい重厚感」がありつつ、軽やかな着心地が特徴です。チェック・ストライプをはじめとしたイギリス伝統の柄と、けして派手ではないが落ち着いた色合いが、大人の雰囲気を演出します。現代の若い世代にも受け入れられるような配色や奥行き感が、他のブランドにはないイギリス生地の硬派さとおしゃれさを同時に持ち合わせる生地で、上品な光沢感によりその高級さはひと目でわかります。
実用的な面でも優れており、柔らかさはあるものの、イギリス生地ブランドらしいしっかりとしたハリとコシがあり、シワになりにくくタフです。撥水性やストレッチが効いた生地もあり、アクティブな現代人にもぴったりの服地であるといえるでしょう。
代表的な 生地をいくつか紹介します
ナノフィニッシュ 繊維自体にナノレベルの加工を浸透させることで、撥水・撥油性を持たせた生地となっています。通気性を損なうことなく、食べこぼしや雨などの水分や汚れを弾いてくれます。またウール本来の風合いや特徴を良い方向に引き出す効果もあります。
ナノストレッチ 人工繊維を生地に加えることなく生地に伸縮性が出るように、糸により多くのうねりを持たせる特別な織りと仕上げ方法をとっている生地です。着用時の機能性を高めるほか、衣類のフレッシュさを保つことができるので、出張や営業などで外に出る機会が多いビジネスマンには嬉しいポイントです。
ツイルコレクション ウール100%のイギリスらしい伝統的な色合いを中心に、上品な艶もあり大人の雰囲気です。ハリ・コシも十分にあるので、日常使いにピッタリの仕上がりになります。
ジョン フォスターは、1819年にウエストヨークシャー州のクイーンズベリーで創業した毛織物メーカーです。創業者のジョン・フォスターは、糸を仕入れて織物職人に卸し、出来上がった生地を市場で売るという商いから始めましたが、やがて自社工場を建設し、糸の紡績から生地の製造まで一貫して行うようになりました。彼は品質にこだわり、最新式の織機を導入し、モヘアやアルパカなどの高級素材を使った生地で世界的な評価を得ました。1851年のロンドン万国博覧会では、モヘア生地で最優秀賞を、糸では金賞を受賞しました。
ジョン・フォスターは、創業者の死後もその息子や孫によって経営が引き継がれ、200年以上にわたって服地の歴史とともに歩んできました。現在でも英国を代表する服地ブランドとして、世界中のアパレルメーカーやテーラーに生地を提供しています。ジョン・フォスターの生地は、英国クラシックのテイストと現代感覚を兼ね備えたモダンブリティッシュなファッション性を持ちます。ウーステッドやフランネルなどの伝統的な素材に加えて、モヘアやカシミアなどの高級素材も豊富に取り揃えています。色味や柄も落ち着いたものから華やかなものまで幅広くあります。
ジョン・フォスターの生地でオーダースーツを作るとしたら、どんな特徴やメリットがあるでしょうか?まず、品質の安定度が高いという点です。どれを選んでもまず失敗がないと言われるほど確かな生地です。また、耐久性にプラスして光沢がある上品な雰囲気も特徴です。次に、価格の手頃さとコストパフォーマンスの良さという点です。高級ブランドが多い英国服地の中では比較的買い求めやすい価格帯であり、予算に余裕がない人でも気軽にオーダースーツを作ることができます。最後に、普遍性と個性という点です。英国らしい落ち着いた色味や柄はどんな場面でも違和感がありませんが、それだけではなくトレンドも意識したデザインもあります。自分らしいオリジナリティを表現することも可能です。
代表的な 生地をいくつか紹介します
直径約17.5マイクロンの良質なウールにカシミアの肌触りを加えた、クラシックでありながらラグジュアリーなコレクションです。フランネルとカシミアを含む生地で、54種類の色柄があります。秋冬にぴったりの暖かくて上品なスーツが仕立てられます。
ジョン・フォスターの伝統と最新技術を融合させた、高級ウーステッドとカシミアのコレクションです。Super 150s Worsted(21種類)、Super 200’s Worsted (27種類)、Super 200s Worsted and 55% cashmere(9種類)、100% Cashmere (7種類)の中から、お好みの素材が選べます。どれも光沢とドレープ性に優れた生地で、一流の仕立てと相まって最高級のスーツに仕上がります。
ブラックフォーマル用の生地で、メリノウールからモヘアまで15種類あります。ブラックの深みが特徴的で、礼服やタキシードにふさわしい気品と色気が漂います。モヘアは光沢と強度が高く、シャープな印象を与えます。メリノウールは柔らかくて肌触りが良く、快適な着心地を提供します。
ダグデールブラザーズ アンドカンパニーは、1896年にヘンリー・パーシー氏とフレデリック・H・ダグデール氏の二人によって、英国の毛織物産業の中心地であるハダーズフィールドにて服地商社として創業しました。 二人の企業理念は、高品質でエレガントな服地を提供することでした。
その後、ダグデールブラザーズは、感性豊かなデザイナーや熟練した技術者、妥協を許さない仕上げのスペシャリストたちの協力によって、クラシックからコンテンポラリーまで幅広いバリエーションの服地を生み出しました.。その服地は、ヨーロッパやアメリカの一流テーラーやオートクチュールのデザイナーにも愛用されるようになりました。
ダグデールブラザーズは、2世代にわたって家族経営を続けましたが、1960年代にキース・チャーノック氏がダグデール家最後の後継者であるベティ・ダグデール氏から事業を引き継ぎました。キース・チャーノック氏は、ハダーズフィールドの老舗織物業者ジョン・フォスターで見習いとして働いた経験がありました。 その後、彼の息子ロブ・チャーノック氏が経営を引き継ぎました。
現在、ダグデールブラザーズはハダーズフィールドに残っている唯一の英国のマーチャント(商社)です。多くの競合他社が外国資本に買収された中でも、英国の伝統と品質を守り続けています。そのコンセプトは「モダンヘリテージ」と呼ばれ、英国織物のスピリッツと伝統に現代的な解釈を加えたものです。
ダグデールの特徴は、英国の伝統と時流を織り込んだ高品質でラグジュアリーな生地を提供していることです。その生地は、厳選された羊毛原料とヨークシャーの良質な軟水を使って丹念に仕上げられます。また、クラシックからコンテンポラリーまで幅広いバリエーションを持ち、サヴィル・ロウの一流テーラーやオートクチュールのデザイナーにも愛用されています。
代表的な 生地をいくつか紹介します
Super100’sの糸を使用した280gの服地で、織から仕上げにかけて通常よりも非常に多くの時間を費やして生産されるため、仕上がりの美しさやしなやかな生地感が他とは一線を画しています。
1957年から続く定番のコレクションに、1960年代のアーカイブから引いたヴィンテージ柄を追加したものです。340gのしっかりした目付は耐久性に優れ、秋から冬にかけての仕事着に最適な一着です。
羊から仕上げまでを英国国内で行っている純英国製のコート地です。染色していないウールを用いることで生まれる自然なシェイド、そして、それを引き立てるモダンな柄が特徴です。環境に配慮した、これからの時代に向けてダグデールが送るコレクションです。
伝統的な柄のタータンのみを集めた圧巻のコレクションです。タータンは織るときに糸のセットが難しく、取り扱うメーカーは多くありませんが、クラシックを特徴とするダグデールならではと言えるコレクションです。