オーダースーツおすすめ完全網羅 比較ランキング50店 > コラム > イタリアのスーツ生地の魅力 - ファッションの粋を纏う
イタリアは長い歴史を持つファッションの国として知られていますが、その中でも特に注目されるのがイタリアのスーツ生地です。イタリアのスーツ生地は、品質、デザイン、技術の面で世界的に高い評価を受けており、多くの人々に愛されています。ここではイタリアのスーツ生地の魅力と歴史位ついて徹底的に開設します。
目次
イタリアはビエラ地方を中心に、世界的に有名な生地メーカーが数多く存在し、その品質やデザインは高く評価されています。では、イタリア生地の特徴とは何でしょうか?ここでは、主に以下の3点について紹介します。
イタリア生地は、緯糸(よこいと)を単糸(たんし)という1本だけで織っているものが多く、そのため柔らかくしなやかな質感を持ちます。また、原毛の選別や染色にもこだわりがあり、絹のような光沢が美しくドレープ感があります。この柔らかさと光沢は、着る人の色気や魅力を引き出す効果があります。
イタリア生地は、色彩豊かで独特の色づかいが特徴的です。イタリアは南欧の国であり、日差しが強く明るい気候です。そのため、暗い色よりも明るい色や鮮やかな色が好まれます。また、柄も多彩であり、ストライプやチェックはもちろん、花柄や幾何学模様なども見られます。これらの色彩と柄は、個性やセンスを表現する手段となります。
イタリア生地は、ファッションに敏感でトレンドを意識したものが多いです。イタリアは洋服の本場として有名であり、多くのブランドやデザイナーが活躍しています。その影響を受けて、生地メーカーも常に新しい素材や技術を開発し、革新的なコレクションを発表しています。例えば、ストレッチ性や防汚性などの機能性を持った生地や、カシミヤやシルクなどの高級素材をミックスした生地などがあります。これらのファッション性は、着る人のスタイルやライフスタイルに合わせて選ぶことができます。
前出の通り、イタリアはビエラ地方を中心に、世界的に有名な生地メーカーが数多く存在し、その品質やデザインは高く評価されています。では、イタリア生地の歴史とはどのようなものでしょうか?
Vitale Barberis Canonico
イタリアのファッションの歴史はルネサンスの時代までさかのぼります。ルネサンスとは、14世紀から16世紀にかけてイタリアを中心に起こった文化的な復興運動です。この時代には、芸術や科学が発展し、人間の美しさや個性を表現することが重視されました。衣服もその一つであり、色彩豊かで独特の色づかいや柄が流行しました。また、体型を誇張するようなファッションも登場しました。例えば、女性は上半身がV字型に見えるよう腰を細く見せるコルセットや、スカート部分を膨らませるファージンゲール(詰め物)を着用しました。
その後近代に入り、ナポレオン戦争やイタリア統一運動などの政治的な変動が激しかった時代となりました。この時代には、フランス革命や産業革命の影響を受けて、衣服も大きく変化しました。男性服は長く裾を引く衣装から短く活動的な衣装へ移行し、ジャケットやズボンが主流となりました。女性服もコルセットやファージンゲールなどの束縛から解放されて自然なシルエットになりました。
現代では、イタリアは第一次世界大戦や第二次世界大戦などの戦争を経験した後、経済的に復興しました。この時代には、ファッション業界も発展し、イタリアは洋服の本場として有名になりました。多くのブランドやデザイナーが活躍し、革新的なコレクションを発表しました。例えば、ストレッチ性や防汚性などの機能性を持った生地や、カシミヤやシルクなどの高級素材をミックスした生地などがあります。
ビエラ地方では17世紀から羊毛織物の生産が始まりましたが、19世紀から20世紀にかけて工業化が進み、多くの生地メーカー(ミル)や生地専門商社(マーチャント)が誕生しました。
スーツ生地を作るには、羊毛や綿などの繊維を紡いで糸にし、それを織って布にします。その過程で染色や洗浄などで大量の水が使われますが、その水の質が生地の質に影響することが分かっています。水には硬水と軟水がありますが、硬水はカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が多く含まれています。これらの成分は色素と結合してしまい、生地の発色や光沢を損なうことがあります。また、洗剤と反応して沈殿物を発生させやすく、生地に汚れや傷みを与えることもあります。
一方、軟水はミネラル成分が少なく、色素と結合しにくいため、生地の発色や光沢を保つことができます。また、洗剤とともによく泡立ち、沈殿物も少なくなります。これにより、生地に優しく洗浄することができます。
ビエラ地方はイタリア北部のピエモンテ州に位置し、アルプス山脈から流れる清らかな水に恵まれた土地です。この水は非常に軟水であり、そのため染色や洗浄に適しており、ビエラ地方のスーツ生地の発展に大きく寄与したと言われています。
ここではイタリア生地の代表的なメーカーをご紹介いたします。
カノニコは、イタリアの老舗生地メーカーで、世界中の一流ブランドやテーラーに高品質なウール生地を提供しています。カノニコの歴史は、1663年に織物商として創業したところから始まります。その後、産業革命や世界大戦などの時代の変化に対応しながら、技術やデザインを革新し続けました。現在では、自社農場で上質な原毛を確保し、紡績から仕上げまでの一貫生産体制を構築しています。
カノニコの魅力は、その美しい発色と光沢感にあります。カノニコの生地は、色彩豊かでシルクのような光沢があります。特に青色系は定評があり、深みと高級感を演出します。また、柄も豊富で、無地だけでなくチェックやストライプなどもあります。カノニコの生地は、着る人の個性やシーンに合わせて選べるようになっています。
カノニコの生地は、季節によっても異なります。春夏にはトロピカルクロスやモヘアなどの軽くて涼しい生地がおすすめです。秋冬にはフランネルやフラノなどの暖かくて柔らかい生地がおすすめです。カノニコの生地は、高品質ながらも手ごろな価格で手に入るのも魅力です。オーダースーツを作る際には、カノニコの生地をぜひ検討してみてください。
カノニコは、世界最古のミルとして3世紀半以上も続く伝統と革新を兼ね備えた生地メーカーです。その歴史や特徴、魅力を知れば、カノニコスーツを着ることがもっと楽しくなるでしょう。カノニコスーツは、ビジネスやパーティーなど様々なシーンで活躍する万能スーツです。
代表的な 生地をいくつか紹介します。
多年草のように年数を経るごとに見栄えが良くなる、耐久性と回復力に優れた生地です。色彩豊かで光沢があり、自分のアイデンティティを明確にしたい男性におすすめです。
超極細繊維から織り上げられた清涼感と風合いの高い生地です。通気性と吸湿性があり、夏場でもさらりとした着心地が楽しめます。シワになりにくく、エネルギッシュなビジネスシーンに対応できます。
最上級のウール原料を厳選して織り上げられた、ふんわりと柔らかなウールン素材です。表面が長い毛足で起毛しており、保温性が高いです。繊細な毛並みが美しく、エレガンスとウォーム感をまとった生地です。
英国伝統のサキソニーウールをイタリア流にアレンジした、上品で洗練された生地です。細番手の糸で織り上げられた生地は、軽くてしなやかで、肌触りも滑らかです。色合いも深みがあり、高貴な印象を与えます。
最高級のウール原料を使用した、カノニコの最高峰シリーズです。スーパー150’sの極細繊維は、驚くほどの柔らかさと光沢感を持ちます。生地は薄くて軽いのに強度があり、シルエットも美しく出ます。最高の品質と快適さを求める方におすすめです。
ゼニアはイタリアを代表する世界的高級ファッションブランドです。その歴史は、1910年にエルメネジルド・ゼニアがトリヴェロという北イタリアの町でウールミルを創立したところから始まります。エルメネジルドは、世界で最も美しい生地を作るというビジョンを持ち、オーストラリアや南アフリカなどの国から直接上質な原毛を調達し、イタリアで織り上げて世界に販売しました。また、地元の環境やコミュニティにも貢献するために、学校や病院、道路などの施設を建設したり、植林事業を行ったりしました。
エルメネジルドの息子たちであるアルドとアンジェロが1960年代半ばに会社を引き継ぎました。彼らは、生地だけでなく既製服も事業に加え、海外にも新たな工場や販売網を築きました。1972年には、オーダーメイドサービスのSu Misuraを開始しました。Zegnaは、品質の高い生地づくりにとどまらず、スタイリッシュなシルエットやデザインも追求しました。
ゼニアの魅力は、その高品質なファブリックとスタイリッシュなシルエットにあります。Zegnaは、自社農場で上質な原毛を確保し、紡績から仕上げまでの一貫生産体制を構築しています。その結果、ゼニアのファブリックは、色彩豊かで光沢があり、柔らかくて軽い着心地が特徴です。ゼニアのファブリックは、季節によっても適した生地が変わります。春夏にはトロピカルクロスやモヘアなどの清涼感と風合いの高い生地がおすすめです。秋冬にはフランネルやフラノなどの暖かくて柔らかい生地がおすすめです。
ゼニアのファッションは、伝統的なテーラリングの技をラグジュアリー レジャーウェアの方向へ進化させています。アーティスティック ディレクターのアレッサンドロ・サルトリは、変化するこの世界との向き合い方として、実用性と機能性で伝統を進歩的に解釈し、現代の男性のニーズに応えることを目指しています。ゼニアのコレクションは、ビジネスやパーティーなど様々なシーンで活躍する万能アイテムが揃っています。
ゼニアの生地銘柄のシリーズは、以下の5つが代表的です。
トロフィーのイタリア語がその名の由来となっています。ゼニアが毎年最も素晴らしい原毛を提供した生産者に贈呈するトロフィーからインスピレーションを得た生地です。色彩豊かで光沢があり、柔らかくて軽い着心地が特徴です。オールシーズン着用できる万能な生地です。
トロフェオにシルクをブレンドした生地です。なめらかな手触りと光沢があり、高級感が漂います。オールシーズン着用できますが、シワに弱いので管理が重要です。
最上級のウール原料を厳選して織り上げられたウールン素材です。表面が長い毛足で起毛しており、保温性が高いです。繊細な毛並みが美しく、エレガンスとウォーム感をまとった生地です。秋冬におすすめです。
英国伝統のサキソニーウールをイタリア流にアレンジした生地です。細番手の糸で織り上げられた生地は、軽くてしなやかで、肌触りも滑らかです。色合いも深みがあり、高貴な印象を与えます。オールシーズン着用できます。
最高級のウール原料を使用した、ゼニアの最高峰シリーズです。スーパー150’sの極細繊維は、驚くほどの柔らかさと光沢感を持ちます。生地は薄くて軽いのに強度があり、シルエットも美しく出ます。最高の品質と快適さを求める方におすすめです。
レダは、1865年にイタリア北部のビエラ地方で創業した生地メーカーです。生地の生産で有名なビエラ地方ですが、レダはそこで原毛の調達から紡績、織り、仕上げまでの一貫生産を行っています。レダは、高品質なウール生地を安定した価格で提供することで、世界中のテーラーやブランドから高い評価を得ています。
レダの特徴は、独自の技術や加工によって様々な機能性や風合いを持った生地を作り出すことです。例えば、シルキーエフェクトというシリーズは、特殊な熱加工によってシルクのような光沢感を出した生地で、折り目がつきにくく型崩れしにくいという特徴があります。また、アイスセンスというシリーズは、紫外線の吸収を抑える加工や太陽光の反射効果によって生地の表面温度を下げる効果があります。これらの生地は、夏場に快適な着心地を提供します。
レダはまた、環境や動物福祉にも配慮した取り組みを行っています。レダは自社牧場をニュージーランドに3つ所有し、原毛の調達先の透明化や品質管理を行っています。また、染料を分解してから自然界に返すことや、太陽光エネルギーを利用することなど、環境負荷の低減に努めています。レダは、環境や動物福祉に関する様々な認証も取得しており、サスティナビリティ(持続可能性)とトレーサビリティ(追跡可能性)に優れたメーカーです。
代表的な 生地をいくつか紹介します。
レダの基本となるシリーズで、ウール100%による発色の良さ、繊細な柄の出方、上品な光沢感など、高品質を追求した生地です。安定した品質、コストパフォーマンスの高さが魅力です。
レダが独自開発した特殊ローラーで生地を高温圧力プレスし、生地に艶とシルクのような光沢感を出す「ドルフィン加工」を施した生地です。折り目がつきにくく、型崩れしにくいという特徴があります。
紫外線の吸収を抑える特殊な加工を施し、生地の表面温度を8℃下げるといわれており、夏生地らしいメッシュ感の無い、ドレープの効いたしっかりとした目付の生地です。夏場に快適な着心地を提供します。
ナチュラルなストレッチ性に加え、防シワ・撥水加工・通気性といった機能性を追求したハイテク生地です。動きやすく汚れにくいというメリットがあります。
レダの最高級シリーズの生地で、Super150’s(15.5マイクロン)の超極細番手原毛を使用し、その糸を通常より低速の織機でゆっくり手稲に織り上げられた生地です。軽さとしなやかさを兼ね備え、高級感のある風合いを醸し出しています。
ロロピアーナは、カシミヤやビキューナなどの希少な素材を使った製品で世界的に有名な、イタリアの高級生地メーカーです。1924年にトリベロで創業したロロピアーナは、1980年代からペルーで絶滅の危機に瀕していたビキューナの保護活動に取り組み、その貴重な毛を独占的に使用する権利を得ました。2013年には、フランスのLVMHグループに買収されましたが、創業家は株式の20%を保有し続けています。
ロロピアーナの魅力は、その素材へのこだわりと品質への追求にあります。ロロピアーナは、世界中から最高級の原料を厳選し、その加工や染色にも独自の技術を用いています。特にカシミヤは、ロロピアーナの代名詞とも言える素材であり、その風合いや色彩は他の追随を許しません。また、ビキューナは、世界で最も希少で高価な動物性繊維であり、その軽さや暖かさは群を抜いています 。
ロロピアーナの特徴は、そのデザインと機能性にあります。ロロピアーナは、ファッション業界のトレンドやニーズに敏感に反応し、常に新しい製品やコレクションを発表しています。例えば、最近では、藤原ヒロシとのコラボレーションで「THE GIFT BOX」というプロジェクトを展開しました。これは、カシミヤやビキューナなどの素材を使ったブランケットやスリッパなどのアイテムをギフトボックスに入れて販売するというものです。また、ロロピアーナは、サステナビリティやサプライチェーンの透明性にも注力しており、自社農場や工場で環境に配慮した生産活動を行っています 。
ロロピアーナの評判は、その高級感とエレガンスにあります。ロロピアーナは、世界中のセレブリティや王室などから愛されており、そのステータスは揺るぎません。また、多くのファッションブランドやテーラーからも信頼されており、その生地はオーダースーツやオートクチュールなどの素材として使われています 。しかし、ロロピアーナは、その高級感とは裏腹に気取らない雰囲気も持っており、カジュアルなスタイルにも合う製品も多く展開しています。
代表的な 生地をいくつか紹介します。
タスマニア産のスーパーファインメリノウールを使用した生地で、耐久性と防シワ性に優れています。吸湿性も高く、オールシーズン着用できます。
ニュージーランド産のスーパーファインメリノウールを使用した生地で、コストパフォーマンスに優れています。細かい糸で織り上げられた生地は、柔らかくて光沢があります。
オーストラリア産の超々極細番手のメリノウールを使用した生地で、最高級のカシミアに匹敵する風合いを持ちます。圧倒的な存在感と高級感を演出します。
細番手のスーパー130’sメリノウールを使用した生地で、季節を問わず着用できます。軽くてしなやかで、快適な着心地を提供します。
世界最高級とされるオーストラリア産の超極細番手のメリノウールを使用した生地で、限定生産される希少なコレクションです。非常に軽くて柔らかく、まるで絹のような肌触りです。
南米アンデス山脈に住むビキューナという動物から採れる毛を使用した生地で、世界でもっとも希少価値の高い繊維です。非常に温かくて軽く、美しい色合いと光沢が特徴です。
トレーニョは、イタリアの高級服地ブランドで、1900年にビエラ地方で創業した老舗です。創業者のジュゼッペ・コルナリアは、細番手の紡績に特化した生地メーカーとしてスタートしましたが、その後、世界恐慌や第二次世界大戦などの困難な時代を乗り越えて、イタリアのファッション界における最高級の生地メーカーとして名声を得ました。トレーニョは、常に新しい技術や素材を導入し、高品質な生地を開発し続けました。特に、サスティナビリティやトレーサビリティに配慮した生地づくりは、現代のニーズに応えるものでした。2010年代には、ロロピアーナグループに加わり、シナジー効果を発揮しました。現在も、世界中のセレブやファッショニスタに愛される高級服地ブランドとして、その地位を確立しています。
トレーニョの特徴は、高品質な素材と技術力による機能性の高い生地です。トレーニョは、毛織物だけでなく、ニットや下着なども手がけており、その幅広い知識と経験が生地作りにも活かされています。例えば、トレーニョの「3Dウール」は、ウールの風合いを損なわずにストレッチ性を持たせた画期的な生地で、快適さと美しさを両立させています。
トレーニョの魅力は、洗練された色柄と上品な艶です。トレーニョは、デザイナーズブランド向けに生地を提供することから、ファッション感度が高く、トレンドを反映した色柄を展開しています。また、イタリアの生地らしい柔らかさと美しい発色が特徴で、着る人の魅力を引き出します。
トレーニョは、世界的に有名なブランドやテーラーから高い評価を得ており、その品質は折り紙付きです。しかし、トレーニョは、その品質に対して手に入りやすい価格設定をしており、他の有名な織元と比べても手頃な価格で購入することができます。
「トレーニョといえば3Dウール」と言われるほどトレーニョを代表する、革新的なストレッチウール生地です。見た目はエレガントでハリ感のあるウール生地ですが、身体の動きに合わせて柔軟に伸縮する快適さがあります。その秘密は、経糸に通常のウール糸、緯糸にポリウレタンを全体の1%ブレンドしたウール糸を使用していることです。このように、伸縮性と復元性、強度と風合いを両立させた次世代のストレッチウールと言えます。
トラバルド・トーニャは、1840年に設立された老舗のメーカーとして高い評価を得ており、その歴史は、5世代にわたって家族経営が続いており、現在もトラバルド家とトーニャ家の子孫が経営に携わっています。
トラバルド・トーニャは、紡績から織物の完成まで自社で一貫生産をしていて、厳選された高品質な原料を使用した細番手の梳毛素材に特化しています。その品質の高さは、糸の太さや打ち込み本数などの基本的な要素だけでなく、羊毛本来の持つクリンプ(縮れ)や風合いなどの微妙な特性にも表れています。また、歴史と伝統を背景にしたハイグレードな「ものづくり」を行っています。
トラバルド・トーニャが他のメーカーと決定的に違うのは、高級素材でありながら、ストレッチという「機能性」を追求していることです。2000年頃まで服地の世界では、「機能性」を持たせることは比較的安価な普及品に限られていました。しかし、トラバルド・トーニャは、天然素材だけで製造された高級織物にストレッチ性を持たせる技術を開発しました。これは、「エストラート」という生地で、通常のおよそ2倍近くも伸縮するナチュラルウールです。この生地は、見た目の上質さと着用時のフィット感や追随性の高さを兼ね備えており、同社の代名詞的なコレクションとなっています。
トラバルド・トーニャは、無地だけではなくグレンチェックやウインドペーンなどのトラディショナル柄や強弱のあるストライプなども取り揃えています。色味もベーシックなネイビーやグレーだけでなくブラウンやベージュなどもあります。また、季節ごとに異なる素材や重さも展開しており、春夏用には清涼感が出る軽量な平織りや綾織り、秋冬用には暖かみがある中重量から重量級の繻子(しゅす)織りや起毛素材などもあります。
代表的な 生地をいくつか紹介します
天然素材だけで製造された高級織物にストレッチ性を持たせた技術で、ウールやカシミヤなどの素材でその性能を発揮します。見た目は上質で風合いがあり、着用時はフィット感や防シワ性が高く、トラベラースーツとしても理想的です。
厳選されたモンゴリアンカシミヤのみを使用した生地で、軽くて暖かく、柔らかくて滑らかな肌触りが特徴です。高級感とエレガンスを兼ね備えた生地で、ラグジュアリーブランドからも支持されています。
ウールとモヘアの混紡生地で、清涼感がありながらもストレッチ性と防シワ性に優れています。夏に最適なスーツ地素材で、色鮮やかで光沢があります。
タスマニア島で育つ羊のみ厳選した「タスマニアウール」を使用した生地で、地球環境や動物の健康に配慮したサステナブルなプロジェクトです。牧場から生地までのトレーサビリティを実現し、高品質なウールを提供しています。
DORAGOは、イタリアのビエラ地方で1973年に生地メーカーとして創業したブランドです。毛織物工場が集中するビエラ地方の中でも、高品質なウール生地を作ることで知られています。DORAGOは、紡績から織り、仕上げまでの一貫生産を行っており、特に糸へのこだわりが強いです。ナノテクノロジーを用いて超細番手の糸を作り、撥水や防シワなどの機能性を持たせた生地を開発しています。また、カラーバリエーションや柄も豊富で、オーダースーツに人気の生地ブランドとなっています。
代表的な 生地をいくつか紹介します
スーパー160’sの双糸を使った生地で、季節を問わず着用できます。
スーパー130’sのウール生地で、太陽光の入り方によって色向きが変わります。
モヘヤをブレンドした生地で、太陽の熱をさえぎり、ストレッチ性を高めています。
スーパー130’sのウール生地で、強いハリと耐久性を持ちます。