毎日同じスーツを着続けてはいけないのはどうして？

社会人としての評価に直結するスーツの数

社会人は、スーツを何着持っておくべきなのでしょうか。 ビジネスにおいてスーツは必需品ですが、ビジネスシーン以外でも着る機会は意外と多いです。 実は、毎日同じスーツを着ることはあまりおすすめできません。 「でも、スーツって高いしそんなにたくさん買いたくない」と考える方の為に、同じスーツを毎日来てはいけない理由ついてご説明いたします。

社会人なら最低3着

同じスーツを毎日着ていると、汗や摩擦によって生地が傷みやすくなり、スーツの寿命が短くなってしまいます。 毎日スーツを着用する社会人は、3～5着程度持っておくようにしましょう。最低でも3着を用意することにより、毎週ローテーションさせながら着ることができます。 1日使用する度に2日休ませるのがスーツメンテナンスの基本です。

この2日間で汗や水分が蒸発し、シワも伸びるので大きなダメージの蓄積を防ぐことができます。 短期的に見たらスーツは1.2着だけの購入の方が節約できるように見えます。 しかし3着以上をメンテナンスしながら着回していく方が、長期的に見るとスーツの寿命を延ばし、コストパフォーマンスを高くすることにつながります。

また、毎日同じスーツを着続けると、すぐにヨレヨレになってしまい、不潔な雰囲気を漂わせてしまう可能性もあります。そのようになった場合、周りからだらしない印象を持たれてしまうでしょう。 そうならないためにも、最低３着を着回し、スーツの寿命を延ばしてあげましょう。

就活生が持っておくべきスーツの着数

基本的に就活で出会う方々は、ほとんどの確率で初対面です。つまり、第一印象は合否に大きく影響します。 現実問題、１着だけでも就活は進めることができるのですが、２着以上あると安心して取り組めます。 社会人に比べると就活生はスーツを着る機会は少ないですが、就活の後にそのまま学校で講義を受けるなど、場合によってはスーツを着る時間が長くなります。

一般的に、リクルートスーツはビジネススーツと比べ安価な分、消耗が早い傾向があります。 就活序盤の比較的新しいスーツであれば、連続して着てもそこまでダメージが見えませんが、終活後半となる６月はたくさん汗をかくようになる夏シーズンです。

最終面接などの大事な局面が増える就活後半になった時に、ボロボロのスーツを着てしまい見た目の印象で落ちてしまう、なんてこと想像もしたくもないですよね。 そのようなことを避けるためにも、スーツは２着以上持って休ませながら着ることをお勧めします。

また、人によっては大学３年生の夏から始まるインターンシップに参加し、就職活動を長期的にする方もいます。その場合、終活終盤には間違いなくダメージがたまっていってしまうので早い段階から２着以上購入し、着まわす癖をつけましょう。

シーズンによってスーツは変えるべき？

日本は３か月ごとに四季が分かれており、気温や湿度も大きく変化します。 夏に着ていた半袖のTシャツを真冬にも着るなんてことしませんよね。 私たち日本人が季節に合わせて着る洋服を衣替えするように、スーツもシーズンによって変えて着た方が良いです。 スーツは、大きく分けて春夏用と秋冬用があります。

春夏用は4月～9月、秋冬用は10月～3月に着用することが一般的な目安です。春夏用を3着、秋冬用を3着、通年で計6着のスーツを揃えておけば、適度にスーツを休ませつつ着回すことができます。 他にも、蒸し暑い時期に特化した盛夏用のスーツ、防寒に特化したスーツ、オールシーズン使えるスーツがあります。

これらは着心地が全く違い、見た目もそれぞれのシーズンに相応しいデザインに仕上がっています。 ここではメジャーな春夏用スーツと秋冬用のスーツのそれぞれの特徴を説明します。

春夏用スーツ

暖かい春から暑い夏にかけて着用しやすいよう、主に「通気性」「吸汗性」「速乾機能」に考慮して作られています。そのため素材は定番のウールやポリエステルに加え、肌触りをよくするシルク、吸汗性の高いコットンなどが用いられます。 近年ではいつでも清潔に使えるように、家庭でも洗うことができるウォッシャブル機能付きのスーツも増えてきています。

秋冬用スーツ

生地がきめ細かく織られていたり、背中の生地に裏地がついていたりと「保湿性」「保温性」を考慮した作りになっています。軽量感のある春夏用スーツとは異なり、重厚感があるのが特徴的です。 素材としては、一般的なウールやポリエステルに加え、保温保湿に優れるカシミアやアンゴラが使用されることがあります。

スーツはどれくらいの頻度でクリーニングするべきか

スーツをクリーニングに出す最適な頻度は、汚れ具合や持っているスーツの数にもよりますが、基本的に「1シーズンに1.2回」が理想です。過剰な回数のクリーニングは生地の風合いを損ない劣化を早める原因となってしまう可能性があるので、適当なタイミングでのクリーニングを心がけましょう。

また、シーズン終わりの衣替え前もクリーニングしてから収納するようにしましょう。汚れの放置は虫食い・カビ・シミの原因となります。 クリーニングにもドライクリーニングといって化学品を用いた水を使わない洗い方や、ウェットクリーニングという家庭ではできない高度な技術を用いた水洗いでの方法があります。 スーツの素材や汚れの種類によって適切なクリーニング方法を選びましょう。

ここぞという時は勝負スーツ

毎日同じスーツを着続けるのは、スーツの寿命を短くしてしまうのでおすすめできませんが、スーツを上手に着回しているだけでは足りないものがあります。それは「勝負スーツ」です。 相手の取締役の人が同席する商談や、取引先の役員の方との会食などのような重要な場面において、普段と同じスーツを着ていくことはあまり好ましいとは言えません。

もちろん清潔な状態を保っているのであれば悪い印象にはなりませんが、「勝負所」という面では物足りなさを感じることもあります。 こういったケースを想定する場合は、通常着のスーツとは別にオーダーメイドの「勝負スーツ」を用意しておくことをお勧めします。

スーツを長持ちさせる秘訣は「毎日同じスーツを着ないこと」

スーツを長く着るためのコツをご紹介してきましたが、いかがでしたか。 まとめると、社会人は春夏と秋冬用を３着ずつ、就活生は２着以上あると安心できるということ、１度着たスーツは最低２日間は休ませること、クリーニングは１シーズンごとに1.2回、といった三点がスーツの長持ちさせるコツです。

高い出費に感じてしまい、必要最低限のスーツしか買わなくてもいいように思えるかもしれませんが、複数枚スーツを持つことが、結果として出費を抑えることにもなります。 スーツをできるだけ長く、良い状態で着るためにも、複数枚のスーツを着まわすことをおすすめします。