オーダースーツおすすめ完全網羅 比較ランキング50店 > コラム > 快適な夏を過ごすための涼しいスーツ
夏の暑さを乗り切るために、軽装で仕事をする「クールビズ」。環境省が推奨する取り組みで、ノーネクタイやノージャケットなどが基本スタイルです。
しかし、ただ服装を緩めるだけではなく、素材選びも重要なポイントとなります。快適な着心地と清涼感のある見た目を両立させるには、どのような素材がおすすめなのでしょうか?
この記事では、夏のクールビズにぴったりな涼しいスーツ素材とその特徴についてご紹介します。
目次
夏に暑さが気になるようなスーツを着用していると、仕事のパフォーマンスに影響することがあります。
なにより、ビジネスシーンではTPOに応じて相手に不快感を与えないスーツが求められます。
夏の蒸す時期に分厚い秋冬用スーツを着て、汗ばんだ姿で取引先を訪問したら、相手に不快感を与えてしまうことも。
社会人の最低限のマナーとして、季節に合ったスーツを着用するように気を付けましょう。
春夏用スーツは5~9月、秋冬用スーツは10月~3月頃の着用を想定しています。
スーツの衣替えは、気温25℃を目安に行うのが適切といわれています。
夏用スーツと秋冬用スーツの大きな違いは生地にあります。
一般的に夏用スーツの生地は薄く、織り方は粗く軽いものが使用されています。
秋冬用スーツは生地が厚く、織り方はきめ細かくて重いものが使われることが多いです。
こちらは「春夏・秋冬スーツの見分け方」の動画となります。
暑がりの方や、汗をかきやすい方にとって、夏場のスーツ着用は辛いですよね。
そんなときこそ、高温多湿な日本の夏を乗り切ることができる、涼しい生地に頼るべきでしょう。
ここから、夏用スーツに適した生地の選び方について解説しています。
夏用スーツは、秋冬用スーツと比較して通気性がよく、薄い生地が多く出ています。
夏用スーツの定番生地には、コットンやリネンなどがありますが、どちらも通気性がよく、ひんやりした着心地が特徴です。
また、生地の織り方の種類として、「平織り」の生地は、通気性が高くて軽いので夏に最適です。
対照的に、密度が高くて厚みのある織り方の代表としては「綾織り(ツイル)」や「朱子織り」などがあります。
夏のスーツは裏地選びも重要です。スーツのジャケットには基本的に裏地が付いています。
ジャケットの裏地の役割は、着用時の滑りを良くして着心地を向上させたり、表地へのダメージを防いだり、見た目のアクセントなどが挙げられます。
夏のスーツを選ぶポイントのひとつに裏地の仕立て方や仕様があります。裏地の付け方や部位の違いによって、軽さや通気性が変わってきます。
背中の約半分の裏地をカットした「背抜き仕立て」や、背中の約半分の裏地+前身裏地をカットした「半裏仕立て」などは、通気性がよく夏場でも蒸れないため人気があります。
以下が夏におすすめのスーツの裏地3パターンです。
一般的な夏向けのスーツは「背抜き仕立て」です。対して、秋冬スーツの場合は、背中の裏側はすべて裏地に覆われており「総裏仕立て」と呼ばれます。
また、オールシーズン用のスーツでは、秋冬用の生地に背抜き仕立ての裏地を付けたタイプが多いです。
背抜き仕立ては、背中の裏側が上から肩甲骨を覆うあたりまでしか裏地がついておらず、その下は表地だけになっている仕様です。軽さと通気性が高まり涼感が増すので、夏に向いています。
背中の上の方の裏地は「観音開き」と呼ばれるものもあります。これは動きやすさのために、左右別の半円状の裏地が施されている仕立てです。
真夏の着用を想定したスーツの場合には、背抜き仕様よりもさらに涼感を重視した「半裏仕様」もあります。
これは背中だけでなく、胴裏部分、つまり左右の両脇の裏側にある裏地が半分しかついていない仕様です。
胴裏が半分しかないので、腰ポケットの裏側が丸見えになっています。仕立ての技術を要するため、既製品のスーツには少なく、オーダーメードの夏仕立てでよく使われています。
非常に軽いアンコンという言葉は「unconstructed jacket」から来ていて、非構築的な上着という意味です。
「アンコン仕立て」は、肩回りの型崩れを防ぐための芯地や増芯を少なくして、裏地を省いたものです。
裏地がないため、軽やかな着心地で風通しもよいジャケットになります。
軽さを出すために、裏地はもちろん肩パッドや芯地さえも使わずに、ほとんど表地だけで縫い上げられています。
軽さと通気性においては、これに勝る仕立てはないでしょう。しかし、服の保護性や堅牢度が低めであり、オシャレ着としてしか使えない贅沢な仕立てとなっています。
下は背抜き・裏地についての解説動画になります。
夏用スーツの色は、明るいトーンのほうが爽やかに見せてくれておすすめです。
色が黒っぽいスーツよりも、白に近いスーツのほうが光を反射して輝くため涼し気な印象です。
暑い時期には、ライトグレーや明るいブルーなどのスーツを選びましょう。
ただし、あまりに明るい色のスーツはカジュアルな印象になるため、シーンによっては注意が必要です。
一方、秋冬用やオールシーズン用の場合、ネイビーやチャコールグレーといった暗めの色が主流です。
また、最近は無地以外にも、マイクロチェックやグレンチェックも人気です。どちらの柄も、遠くから見ると一見無地に見え、近づいて見ないとわからないような小さなチェックが並んでいます。
柄の存在感が控えめなので、柄スーツ初心者さんにもおすすめです。
最近は、さまざまな機能性を備えたスーツが出ています。自分に合ったものを選び、日本の高温多湿な夏に備えましょう。
快適に着られる機能性に優れた素材をさまざまなメーカーが出しています。ここから、おすすめの機能性生地をご紹介していきます。
下は機能性の高い生地のご紹介動画となります。
暑いときに汗をかかないようにするのは無理でも、かいた汗を素早く乾かすことができる生地であれば安心ですよね。
吸水速乾機能を備えたスーツなら、汗をかいてもすばやく吸収、蒸発するから、べたつかずに蒸れません。
衣服内の温度を快適に保ってくれるので、あらゆる環境で涼しさをキープしてくれます。
「クールマックス」は、デュポン社が開発した素材です。速乾性が高く、スポーツウェアなどによく使われています。
このクールマックスをブレンドした生地のスーツは、汗も湿気も吸収してドライさを保ってくれることが特徴です。
気化熱が着用している服にこもった熱を奪ってくれるので、涼しいだけでなく汗の不快さも緩和され、まさに日本の夏に適しています。
また、原料がペットボトルの再生繊維のため、エコな素材ともいえるでしょう。
クールマックスが登場したばかりのころは、素材に化学繊維感が強く、スーツにすると安っぽくなっていました。
しかし、近年は技術力が上がり、見た目は天然繊維のように自然です。
忙しいビジネスマンなら、自宅で手軽に洗えるウォッシャブル機能が向いています。
洗えるスーツは、素材そのものがシワになりにくいことが特徴です。
ほかにも、乾燥しやすい芯地やパッドなどの副資材、そして洗濯機内でほつれない縫製の配慮など、技術が集約されています。
夏に気になる汗も匂いも、自宅で簡単に洗ってしまえば気にならなくなり、常に清潔に着用できます。
クリーニング代を減らせるというのも嬉しいポイントですね。
洗っても型崩れがしにくいスーツが多いので、どなたでも簡単にお手入れができます。
洗うときときは洗濯用ネットに入れてデリケート用洗剤で洗い、干すときは直射日光を避けて、風通しの良い場所で陰干しするようにしましょう。
夏を快適に過ごすなら、特殊加工された生地を選ぶのがおすすめです。
各メーカーの技術進歩により、夏の暑さ対策として、さまざまな特殊加工をされたスーツが誕生しています。
たとえば、生地表面に紫外線を反射する特殊加工を施した生地は、表面の温度を数度下げてくれる優れた機能を備えています。
ストレッチ加工された素材は、生地に伸縮性を持たせて締めつけ感をなくすことで、動きにくさを軽減してくれます。
こうした特殊加工の施されたスーツを選ぶと、猛暑でも過ごしやすくなるでしょう。
蒸れにくくて涼しいスーツをお探しなら、なるべく「芯地」や「肩パッド」が薄いものを選びしょう。
芯地とは、型崩れを防ぐために表地と裏地の中間に入れられている布のことです。
肩パッドは、美しいシルエットを保つために、肩の部分に入れられています。
熱は肩周りや脇部分に集中するもので、肩パッドは暑い夏には曲者です。
「気づけば脇汗びっしょり!」と恥ずかしい経験をした方も多いのではないでしょうか。
薄い肩パッドにすることで、通気性をアップし中の湿気を外に放出しやすくなり熱がこもるのを抑えることができます。
少しでも涼しく過ごせるよう、肩パッドは薄いものをチョイスしましょう。
芯地や肩パッドが薄ければ通気性が向上し、スーツの内側に熱がこもりにくく快適です。
夏をスーツで快適に着こなすためには、暑い時期に適した素材の種類を知ることが大切です。
それぞれの特徴や着こなしのポイントを学び、自分に合った夏のスーツ選びを楽しみましょう。
ここからは、夏のスーツに採用されることが多い生地をご紹介していきます。
夏用スーツでは、生地の素材によって着心地から印象まで大きく変わってきます。
自分のライフスタイルに合った素材を探してみてください。
夏スーツの代表的な生地といえば、吸湿性と肌触りに優れたコットンです。
春夏向けのカジュアルなアパレル用品に多く使用されていますが、織り方や仕上げの違いでビジネススーツに使えるものまで登場しています。
コットン生地とは、綿(コットン)という植物の繊維を使って作られた布のことです。
綿は古くから人間に親しまれてきた天然素材で、吸湿性や通気性が高く、肌触りが柔らかく、色や柄のバリエーションも豊富です。
熱にも強く、洗濯やアイロンがけもしやすいというメリットもあります。
コットン生地にはさまざまな種類がありますが、クールビズにおすすめなのは以下の2つです
鹿の子とは、表面に凹凸があるように見える編み方をしたコットン生地です。凹凸が空気を含むことで、吸水速乾性や通気性が高くなります。
また、肌との接触面積が少ないため、ベタつきにくく涼しく感じられます。
鹿の子はポロシャツやTシャツなどのカジュアルなアイテムによく使われますが、最近ではビジネスシーンでも着られるように襟付きや前開きタイプも登場しています。
ブロードとは、平織りという織り方をしたコットン生地です。平織りとは、縦糸と横糸を交互に交差させる基本的な織り方で、しっかりとした張りと光沢が特徴です。
ブロードはワイシャツやブラウスなどのフォーマルなアイテムによく使われますが、薄手でサラッとした着心地も魅力です。
また、色や柄も豊富で、単色だけでなくストライプやチェックなどもおしゃれです。
コットン生地は、涼しく快適に過ごせるだけでなく、見た目も軽やかで爽やかに見せることができます。
クールビズの着こなし方としては、以下のようなポイントを押さえましょう。
・ノータイやノージャケットなど、首元や腕を涼しげに見せるスタイルを選ぶ
・シャツはホリゾンタルカラーやボタンダウンなど、ノータイでもきちんと見える襟型を選ぶ
・パンツはクリース入りのものを選び、9分丈に仕上げることでもたつきを防ぐ
・色は白やベージュなど、相手も涼しさを感じられるような明るい色を選ぶ
・柄は細かいストライプやチェックなど、主張が控えめで洗練されたものを選ぶ
盛夏に最適な素材といえばリネンが良く知られています。リネンは、コットンよりも吸湿性・放湿性に優れており、通気性も良い天然素材です。
また、コットンよりもシワになりやすく、丈夫ではありませんが夏用スーツにおすすめです。
特に、湿度が高く汗をかきやすい時期の、日本の気候にピッタリな素材になります。
リネン生地とは、亜麻(あま)という麻の一種の植物の繊維を使って作られた布のことです。
リネンは古くから人間に親しまれてきた天然素材で、吸湿性や通気性が高く、夏でも涼しく快適に着られます。
発散性があり、雑菌などの繁殖を抑え、防臭効果もあります。
また、ナチュラルな風合いやシワ感が特徴で、カジュアルな雰囲気を演出できます。
リネンはシャツやパンツなどのアイテムによく使われますが、コットンとの混紡素材もあります。
混紡素材はシワになりにくく、お手入れがしやすいというメリットがあります。
リネン生地にはさまざまな種類がありますが、クールビズにおすすめなのは以下となります。
リネン100%とは、亜麻繊維だけで作られたリネン生地です。リネンの特徴である吸湿性や通気性、ナチュラルな風合いを最大限に楽しめます。
また、色や柄も豊富で、単色だけでなくストライプやチェックなどもおしゃれです。ただし、シワになりやすいので注意が必要です。
リネンコットンとは、亜麻繊維と綿繊維を混紡したリネン生地です。リネンとコットンの良いところを合わせ持ち、吸湿性や通気性はもちろん、肌触りが柔らかく、色や柄のバリエーションも豊富です。
また、シワになりにくく、洗濯やアイロンがけもしやすいというメリットもあります。
リネンレーヨンとは、亜麻繊維とレーヨン繊維を混紡したリネン生地です。レーヨンは人工的に作られた繊維で、光沢感やドレープ性が高いのが特徴です。
リネンとレーヨンを組み合わせることで、吸湿性や通気性はもちろん、光沢感やドレープ性も加わり、上品な印象になります。また、シワになりにくく、色落ちしにくいというメリットもあります。
リネン生地は、涼しく快適に過ごせるだけでなく、見た目も軽やかで爽やかに見せることができます。クールビズの着こなし方としては、以下のようなポイントを押さえましょう。
・ノータイやノージャケットなど、首元や腕を涼しげに見せるスタイルを選ぶ
・シャツはホリゾンタルカラーやボタンダウンなど、ノータイでもきちんと見える襟型を選ぶ
・パンツはクリース入りのものを選び、9分丈に仕上げることでもたつきを防ぐ
・色は白やベージュなど、相手も涼しさを感じられるような明るい色を選ぶ
・柄は細かいストライプやチェックなど、主張が控えめで洗練されたものを選ぶ
・シワは個性として楽しむか、アイロンで整えるか、自分の好みに合わせて調整する
ポリエステルは、吸湿性・放湿性に優れており、シワになりにくい化学繊維です。また、丈夫でお手入れが簡単なため、夏用スーツに最適です。
ポリエステル生地は、天然素材や他の合成繊維と混紡することで、さまざまな風合いや機能性を持った生地を作ることができます。
ポリエステルとは、ポリエステル糸や繊維を使用して作られる生地です。合成繊維に分類される化学繊維であり、アクリルやナイロンと並んで3大合成繊維とも言われています。
ポリエステルの生地には、以下のような特徴があります。
・耐久性が高く、洗濯に強い
・速乾性がある
・シワになりにくい
・耐候性に優れる
・軽い
ポリエステル生地にはさまざまな種類がありますが、クールビズにおすすめなのは以下となります。
ポリエステルリネンとは、ポリエステルとリネンの混紡で、伸縮性がなくしわになりやすいリネンのデメリットをカバーし、リネンの風合いながらにしわになりにくくストレッチ性のある布地です。
リネンの自然な風合いと通気性に加えて、ポリエステルの耐久性とシワになりにくさを備えています。涼しげな印象を与える一方で、メンテナンスが容易です。
ポリエステルシフォンとは、ポリエステルという合成繊維で織られたシフォンという生地のことです。シフォンとは、薄くて柔らかくて透け感のある平織りの生地で、ドレープ性に優れています。
ポリエステルシフォンは薄く透け感のある生地で、軽やかな着心地と涼しげな印象が特徴です。
ポリエステルツイルは斜めの織り目が特徴で、耐久性としなやかさを兼ね備えています。軽量で通気性があり、スラックスやスカートなどのクールビズのボトムスに適しています。
また、今ですとポリエステルを素材としたフェイク麻なども人気が出てきているようです。
フェイク麻については下の動画をご覧ください。
夏の暑い季節においても、快適さを保ちながらスタイリッシュな外見を演出するスーツ素材は重要です。
ストライプ(主に青色と白色)で構成された生地で、縦糸をたるませる部分と張った部分を交互に織り上げることで、凹凸のある表情で仕上げたのがシアサッカー。
シアサッカー素材は、その特有の特徴によって涼しさと快適さを提供し、夏のビジネスや特別なイベントにおいて最適な選択肢となっています。
波のような縞模様は、体に接する面積が少なくサラリとした肌触りになり、涼しく過ごしたい夏場にはピッタリの清涼感を楽しめます。
シアサッカーは、軽くて通気性に優れた天然素材であり、通常は綿や麻から作られます。その名前は、フランス語の「soie sauvage(野生の絹)」に由来しています。
シアサッカーの特徴は、その織り目にあります。織り目が独特で、空気の通り道を作るため、涼しさを実現します。
シアサッカーは、その通気性によって暑い気候でも快適な着心地を提供します。織り目が空気を通し、体温調節を助けるため、蒸れやムレを軽減します。
さらに、シアサッカーは吸湿性にも優れています。汗を素早く吸い上げ、蒸発させることで、涼しさを保ちながら快適さを提供します。
シアサッカー素材は非常に軽量であり、その柔らかな質感が特徴です。軽さと柔軟性によって、スーツが身体に自然にフィットし、動きやすさを提供します。
特に、夏の暑い日には重たい素材のスーツは負担になりますが、シアサッカーの軽さは快適さを高めます。
シアサッカー素材は、その独特な風合いと上品さによって、スタイリッシュな外見を演出します。
さらに、耐久性もあり、長時間の着用や頻繁な洗濯にも耐えることができます。そのため、夏のスーツとしての実用性も高いと言えます。
シアサッカーについては下の動画を是非ご覧ください。
ウールといえば冬のイメージを持っている方が多いですが、夏向きに作られた風通しの良い「強撚ウール」という素材も存在します。
繊維自体に空気を含めることができ熱伝導率が低いため、織り方によっては夏でも快適に着られます。
強撚ウールはウールに強い撚りをかけて糸にしたもので、繊維が丈夫で毛羽立ちが少ないため、毎日スーツを着る方におすすめです。
強撚ウールの特徴は、ウールとは思えないドライなタッチと、毛玉が発生しにくく型崩れしにくいことです。吸放湿性と速乾性が良く、シャリ感のある肌触りとなっています。
また、強撚ウールは210gととても軽量で、夏のスーツ素材にぴったりです。
吸湿・放湿性にも優れているのに加えて、型崩れしにくい生地なので、ビジネス用として活躍してくれます。
ただし、連続着用をすると生地が傷みやすく好ましくないため、1度着たら2日程度は休ませるのが鉄則です。
アンゴラヤギの毛であり光沢が映えるモヘアは、高級感ある光沢とハリがある優れた素材です。
モヘアはシワにも強く、スーツの仕立映えもパリッとしていることが特徴として挙げられます。
アフリカや南米で活躍するビジネスパーソンの多くはモヘア100%のスーツを好むほど、暑い環境でも爽やかに過ごせます。
英国でも、昔からモヘアとウールの混紡の服地が夏の高級服地として織り上げられてきました。
アンゴラヤギの希少な原毛から作られるので高価ではありますが、それに値する素材と言えるでしょう。
近年は伸縮性の高いジャージー素材を使ったスーツが注目されています。
通気性にも優れているジャージー素材は、熱がこもりにくいというメリットがあり、夏場に着用するスーツに適しています。
ジャージー素材はポリエステル繊維でできているのが一般的なため、伸縮性が高く動きやすいのが特徴です。
ジャージー素材で作られたジャケットは、まるでカーディガンのような滑らかな着心地なので、暑い時期でも気軽に羽織ることができます。
普段着ているスーツに窮屈さを感じている方でも、ジャージー素材で作られたジャケットであれば、ストレスを感じにくい仕上がりになっています。
圧倒的な通気性を誇り見た目も涼しげなホップサックのスーツであれば、ジメジメした日本の夏でも快適に過ごせます。
ホップサックとは、平織りツイードの一種で、主に夏のスーツに多く使用されている生地です。
強撚糸という滑らかで張りのある、細い糸を使用して織られています。
ビールの原料であるホップを運ぶときに使用される「麻袋」と同じ織り方をしていることから、この名前がつきました。
カゴ目状におられていることで、通気性の良さはバツグン!
さらりとした肌ざわりで快適な着用感を与えてくれます。
フォーマル感を与えつつ、カジュアルにも着こなせるのも嬉しいポイントです。
「熱帯」を意味するトロピカルは、トロピカルウーステッドが正式名称で、「サマーウーステッド」という別称もあります。
強撚糸で織られた盛夏用の平織り、もしくは綾織りの薄手生地のことです。
強撚糸は、糸がバラバラにならないようにするため、一定の割合でかける撚りを通常よりも強くかけています。
そうすることで、生地のハリを増すなどの特徴を出しているのです。
やや光沢があり、梳毛糸で織られるため薄手の素材となっています。
ざらりとした肌触り感のある粗い織りによって、通気性の良さをもたらします。
軽く羽織れるスーツに仕上がるため、夏場にぴったりの生地です。
日本ではまだあまり浸透していない素材ですが、イタリアでは人気の高い「ソラ―ロ」。
ソラーロとは、イタリア語で太陽を意味する言葉です。
もともとは、亜熱帯の地域で活動する英国兵士のために開発されたもので、紫外線を反射してくれることが特徴となっています。
つややかで発色がよく、光が当たると玉虫色に輝く魅力的な素材です。
高級感や色気があるため、最近ではソラ―ロを使用したおしゃれなスーツも出てきています。
上質な仕上がりの夏用スーツをお求めの方におすすめの素材です。
ビジネスパーソンにとって、スーツは第一印象を左右する重要なアイテムです。
暑い時期でも身だしなみを意識する上で、スーツの見栄えは無視できないものといえます。
そんなビジネスパーソンの中には、オーダースーツに興味があるという方もいるでしょう。
オーダースーツ店であれば、自分好みの生地やシルエットでオリジナルのスーツ作ることができます。
お好きな夏用生地で、こだわりの1着を作りたい方にオーダースーツはおすすめです。
初めてスーツをオーダーされる場合、1年中使えるスーツを依頼する方が多いです。
多くの方が、夏用スーツというと夏しか着れないと思われがちですが、一年の約半分が暑くなってきている現代の日本の気候には夏用スーツが最適といえます。
夏用だからといって秋冬に着れないわけではなく、暖房による気になる蒸れも解消できるため、一年を通して愛用する方も多くなっています。
オーダースーツの醍醐味といえば「生地選び」といっても過言ではありません。
夏を快適に過ごせるオーダースーツを考えるにあたっても、やはり大切になってくるのはこの生地選びです。
夏物のオーダースーツを作るときには、暑い夏を乗り切るための快適性で選ぶのがポイントです。
テーラーと相談しながら、空気を通して風通しを良くするための生地を選びましょう。
スーツを一年中着用する方は、夏用のオーダースーツを1度着てみてください。
初めて夏用オーダースーツを着た方は、その涼しさに驚かれると思います。
夏を快適に過ごすためにも、夏用スーツをオーダーにチャレンジしてみませんか?
今回は、夏に適した涼しいスーツの素材についてご紹介しました。夏を快適に過ごすためには、涼しい素材のスーツが必要不可欠です。
この記事を参考にして、暑い夏を快適に過ごすためのスーツをチェックしてみてはいかがでしょうか。