上質なスーツ生地の種類と特徴：おすすめの製品も

スーツは、男性・女性を問わず、フォーマルな場面でのスタイリッシュな装いを演出する重要なアイテムです。そのスーツを一層高品質なものに仕上げるためには、生地の選択が欠かせません。ウール、リネンなど、様々な素材が利用されています。それぞれの生地の特徴とおすすめの利用場面を紹介します。

ウール

ウール（メリノウール）は、多くはメリノ種という羊から取れる毛で、世界の約50％のウール製品に使われている素材です。メリノウールはスーツの素材としても人気があり、その理由は以下のような特徴にあります。

スーツの素材としてのウールの特徴

スーツの素材としてのウールには、以下のような特徴があります。

柔らかさと肌触りが良い

ウールは細くて柔らかい繊維で、肌に優しい素材です。一般的なウールよりも繊維が細いため、チクチク感やかゆみを感じにくく、快適に着ることができます。

保温性と吸湿性が高い

ウールは繊維内に空気を多く含むことで、暖かく熱を逃がしにくい構造になっています。また、ウールは水分を吸収して放出する能力が高く、湿度や温度に応じて快適な着心地を保ちます。

通気性と速乾性がある

ウールは繊維が細いため、空気を通しやすく、通気性が良い素材です。また、ウールは水分を吸収しても重さを増さず、速乾性も高いです。そのため、汗をかいてもサラッとした感触を保つことができます。

耐久性と伸縮性がある

ウールは繊維が強くてしなやかなため、耐久性が高い素材です。また、ウールは繊維が縮れているため、伸縮性があり、型崩れしにくく、しわになりにくい素材です。

防臭効果と抗菌効果がある

ウールは自然な防臭効果と抗菌効果を持っています。ウールは水分を吸収すると同時に油分を含んでおり、その油分が雑菌の繁殖を抑える働きをします。そのため、汗や体臭のニオイを防ぐことができます。

スーツの素材としてのウールの種類

スーツの素材としてのウールには、以下のような種類があります。

スーパー100’s

スーパー100’sはウールの中でも最も一般的な種類です。スーパー100’sは1インチあたり100本以上の細さであり、約18.5マイクロメートル程度です。スーパー

100’sは柔らかさと耐久性のバランスが良く、ビジネスシーンで使われることが多いです。

スーパー120’s

スーパー120’sはスーパー100’sよりも細くて柔らかいウールです。スーパー120’sは1インチあたり120本以上の細さであり、約17.5マイクロメートル程度です。スーパー120’sは光沢感と風合いが良く、高級感のある仕上がりになります。

スーパー150’s

スーパー150’sはスーパー120’sよりも細くて柔らかいウールです。スーパー150’sは1インチあたり150本以上の細さであり、約16.5マイクロメートル程度です。スーパー150’sは滑らかさと光沢感が抜群で、最高級の仕上がりになります。

こちらの動画ではスーツ生地の糸の細さについての解説をしています。

【質問返し】スーツのいい生地の見分け方を教えてください！
https://www.youtube.com/shorts/QwdxeFxRl98

カシミア

カシミアは、カシミール地方（インド北部）の山岳部に住むカシミア山羊から採れる毛で、非常に希少で高価な素材です。カシミアはウールの一種ですが、一般的なウールとは異なる特徴を持っています。

スーツの素材としてのカシミアの特徴

スーツの素材としてのカシミアには、以下のような特徴があります。

柔らかさと光沢感がある

カシミアは繊維が細くて柔らかいため、肌触りが非常に良く、上品で高級感のある仕上がりになります。また、カシミアは繊維表面に油分を含んでいるため、美しい光沢感があります。

保温性と吸湿性が高い

カシミアは繊維内に空気を多く含むことで、優れた保温性を発揮します。また、カシミアは水分を吸収して放出する能力が高く、汗をかいてもサラリと快適に着ることができます。

軽さと弾力性がある

カシミアは繊維が細くて軽いため、重さを感じずに着ることができます。また、カシミアは繊維が縮れているため、弾力性があり、型崩れしにくい素材です。

静電気が起きにくい

カシミアは動物繊維の一種なので、静電気を帯びにくいです。そのため、冬場でもパチパチとした不快な感覚を避けることができます。

スーツの素材としてのカシミアと他のウールの違い

スーツの素材としてのカシミアと他のウールと比較すると、以下のような違いがあります。

繊維の太さが違う

カシミアは約15マイクロメートル以下と決められています。一方、一般的なウールは約20マイクロメートル以上あります。この繊維の太さの違いが、柔らかさや暖かさなどに影響します。

繊維の長さが違う

カシミアは約3.5センチメートル以上と決められています。一方、一般的なウールは約5センチメートル以上あります。この繊維の長さの違いが、毛玉や耐久性などに影響します。

繊維の産地が違う

カシミアは主にインド・中国・モンゴル・イランなどで生産されています 。一方、ウールはオーストラリア・ニュージーランド・南アフリカ・南米などで生産されています 。この繊維の産地の違いが、品質や価格などに影響します。

モヘア

モヘアはトルコを原産国とするアンゴラ山羊から採取される毛で、ウールと混紡して作られる織物です。絹や生糸のような光沢感があり、通気性や吸湿性も高いことからスーツに最適な素材です。また、別名「ダイヤモンドファイバー」と呼ばれるほど強度が高く、シワになりにくく、耐久性も抜群です。
さらに非常に純白度が高く、多くの色できれいに染め上げることができるところも特徴です。
モヘアは基本的に春夏用のスーツとして定着していますが、毛足を長くしたものは冬用のマフラーやコートにも使われます。

モヘアのスーツ生地の特徴

モヘアのスーツ生地は独特で高級感のある光沢感が人気です。一般的な春夏用のスーツの多くはコットンやリネン生地で作られており、これらはほとんど光沢感がありません。それに対しモヘア素材はまるで金属のような光沢感を発揮し、エレガントで高級なイメージを彷彿とさせます。

モヘアのスーツ生地は通気性と涼し気な肌触りが魅力です。湿気の高い日本の夏の暑さは、通気性と吸湿性の高いモヘアにより大きく軽減されます。さらに、モヘア特有の独特なシャリシャリとした肌触りも、ベタつき感を小さくする効果があります。蒸れでスーツの中が余計に暑くなることを抑えてくれるのです。

モヘアのスーツ生地はしっかりしていてシワになりにくいです。長時間着ても、シワにならずにしっかりとした表面とその光沢を維持してくれます。いちいちスーツのシワを気にしなくても形をしっかり保ってくれるのも、モヘア生地のスーツの魅力でしょう。

モヘアのスーツ生地はいつの時代も王道のスーツです。モヘア素材はその光沢感や色味からとてもクラシックな印象を与えられます。スーツは時代に流行こそあれど、クラシックなモヘア素材のスーツはいつでもフォーマルな印象でビジネスに最適です。着用シーンが多いことや流行に左右されないことも、モヘア素材のスーツにユーザーが根付いている理由の一つでしょう。

モヘアのスーツ生地の注意点

モヘアのスーツ生地は肌が敏感な人はかゆみを感じることがあるので注意が必要です。モヘアのシャリシャリとした肌触りについて紹介しましたが、この「シャリシャリ感」をかゆいと感じる体質の人がいます。モヘア素材がそもそも自分の肌に合っているかどうか確認する必要があるでしょう。

モヘアのスーツ生地は雨などに濡れた時の手入れが大変です。モヘアは水分を吸収しやすく、濡れたまま放置すると縮んだり変形したりする可能性があります。雨に濡れた場合はすぐに乾いたタオルで水分を拭き取り、風通しの良い場所で平らに干すようにしましょう。

モヘアのスーツ生地は摩擦に弱く、毛が抜けやすいです。リュックやバイクなどで背中や腰に強い摩擦がかかると、毛玉ができたり毛が抜けたりする恐れがあります。摩擦を避けるように気を付けましょう。

こちらの動画ではモヘア素材の詳細な解説を行っています。

シルク

シルクは古くから高級な衣服や装飾品に使われてきた素材で、その歴史は太古の昔にまでさかのぼります。エジプトのクレオパトラや日本の卑弥呼など、地位が高い人々に愛されてきたことからも、その価値がうかがえます。

シルク生地の特徴

シルクの最大の魅力は、何といっても独特の美しい光沢です。シルクは非常に細くて強い繊維で、光を反射する性質があるため、見る角度によって色や質感が変化します。そのため、スーツに使用すると上品で華やかな印象を与えます。結婚式やパーティーなどのフォーマルな場面に着用するタキシードやドレススーツには、シルクが使用されている場合が多いです。

シルクは手触りも良く、人間の肌と相性が良いと言われています。シルクはなめらかで滑らかな肌触りが特徴で、柔らかくて快適な着心地を提供してくれます。また、シルクは肌に優しく、アレルギーを起こしにくいとも言われています。敏感肌の方やチクチクする不快感が苦手な方にもおすすめの素材です。

シルクは保温性や吸湿性にも優れており、一年中着ることができます。シルクは空気を含む性質があるため、保温性が高く、冬でも暖かく着ることができます。また、シルクは吸湿性や放湿性も高く、夏は涼しく冬は暖かく着ることができます。さらに、シルクは紫外線を吸収する性質があるため、紫外線対策にも効果的です。

シルクは静電気を起こしにくい性質を持っています。そのため小さなちりやホコリなどが付着しにくく、長い間美しい状態をキープすることができるのです。静電気の不快な刺激が苦手な方も、シルクのスーツを着れば快適に過ごすことができるでしょう。

シルクのスーツ生地の注意点

シルク生地は水分を吸収しやすく、濡れたまま放置すると縮んだり変形したりする可能性があります。雨に濡れた場合はすぐに乾いたタオルで水分を拭き取り、風通しの良い場所で平らに干すようにしましょう。また、シルクは摩擦に弱く、毛玉ができやすいことにも注意が必要です。摩擦を避けるように気を付けましょう。

コットン

コットン生地は、綿で作られた生地のことです。コットンは肌着にもよく使われる素材で、着心地がよく、通気性や吸湿性にも優れています。コットンは、ウールのスーツと比べて、カラーバリエーションが豊富で、カジュアルな印象を与えることができます。しかし、コットンにも注意点があります。シワになりやすいことや、汗や雨で濡れたときのお手入れ方法などを知っておく必要があります。

コットンの特徴

コットンには、以下のような特徴があります。

手入れがしやすい

コットンの特徴の一つ目は、手入れがしやすいことです。コットンは綿でできており、ウールと比べて丈夫な性質を持っています。水に強いため、洗濯なども通常の肌着などと近い感覚で行うことができます。また、熱にも強くて傷みにくいため、アイロンを気軽に当てられるという点もメリットです。

価格がリーズナブル

二つ目のコットンの特徴は、価格がリーズナブルであることです。これはコットン自体が安価であることと、仕立てやすい素材のため工数がかからないことが理由です。オーダーメイドのスーツはウールやシルクで作ると縫製の仕方などによっては10～15万円程度かかることもありますが、コットンですと５～７万円で購入できます。この点は、コットンの大きなメリットだといえるでしょう。

染色しやすいためカラーバリエーションが豊富

コットンの三つ目の特徴は、染色がしやすくカラーバリエーションが豊富であることです。染色をする際にウールが120℃以上の高温で熱しながら加工をしなければならないのに対して、コットンは50~70℃の温度で加工ができます。そのためコットンは糸、布、製品の3段階で細かく染色がしやすく、カラーバリエーションが豊富になるのです。コットンはウールのスーツと比べると非常にカラーバリエーションが豊富なため、スーツの色にこだわりたい人にとってはおすすめです。

着心地がよい

着心地がよいのが、コットンの四つ目の特徴です。コットンは通気性や吸湿性に優れているという性質があるため、コットンで仕立てたスーツは肌触りや風合いがよくなります。しなやかな質感には、つややかさが印象的なウールのスーツと比べてみても異なるよさがあるでしょう。

夏冬どちらも過ごしやすい

五つ目の特徴は、夏冬のどちらも過ごしやすいことです。コットンは、汗を吸収して放出しようとするときに気化熱が発生する性質があるため、夏場は涼しく着ることができます。一方で、繊維の中心が空洞になっているので、熱伝導性が低く熱が放出されにくいという性質もあります。そのため、冬場は体の熱を逃がさずあたたかな着心地となるのです。

コットンのスーツ生地の注意点

シワになりやすい:

コットンは他の生地に比べてシワになりやすい傾向があります。特に長時間座っていたり、動き回ったりすることで、シワができやすくなります。そのため、正式な場面での着用や長時間のビジネスミーティングなどでは、シワが気になる可能性があります。

耐久性に限界

コットンは柔らかさと通気性を提供する一方で、他の生地に比べて耐久性が低い場合があります。摩擦や引っかかりに弱いため、激しい活動や過度なストレッチを伴う動きがある場面では、生地が摩耗してしまう可能性があります。

色落ちの注意

特に初めて洗濯する際に、コットン生地は色落ちすることがあります。濃い色の生地を選んだ場合、他の衣服やアクセサリーに色が移る可能性があるため、注意が必要です。

プロフェッショナルな場面での注意:

コットンはカジュアルな印象を与えることが多いため、厳格なビジネス環境やフォーマルな場面での使用には注意が必要です。特に、堅苦しい場面ではウールなどの他の生地を選ぶことが推奨されます。

こちらの動画ではコットンスーツについてのご紹介をしています。

バンブー

バンブーは、綿花に代わる天然繊維として注目されています。バンブーは、竹から作られる繊維で、綿花よりも肌触りが柔らかく、吸湿性に優れているため、夏場の衣服に適しています。バンブーは、竹から作られるため、竹の特性を持っており、成長が早く、育成に必要な水量が少ないため、環境に優しい素材とされています。バンブーは、抗菌性や消臭効果もあるため、衣服以外にもタオルやシーツなどの寝具にも使用されています。以上のような特徴から、バンブーはスーツの素材としても注目されています。ただし、スーツの素材として使用される場合は、バンブーを混紡することが多く、100%バンブーのスーツはあまり見かけません。

バンブー生地の特徴

バンブーで作ったスーツは、以下のような特徴を持ちます。

抗菌防臭性が高い。

竹は自然に抗菌作用を持っており、バンブーにもその効果が残っています。バンブーのスーツは、汗やニオイの発生を抑えることができます。

吸放湿性が良い

バンブーは、水分を素早く吸収し、放出することができます。そのため、バンブーのスーツは、暑い季節でも快適に着用できます。

接触冷感がある

バンブーは、触ったときにひんやりとした感触があります。これは、竹の繊維が空気を含んでいるためです。バンブーのスーツは、肌に優しく涼しげな印象を与えます。

光沢が美しい

バンブーは、シルクに似た滑らかな光沢を持っています。バンブーのスーツは、上品で洗練された雰囲気を演出できます。

バンブー生地の注意点

バンブー混紡で作ったスーツは、以下のような注意点があります。

洗濯表示を確認する

バンブー混紡のスーツは、他の繊維と混ぜて作られているため、洗濯方法や液温などが異なる場合があります。洗濯表示を見て、適切な方法で洗濯しましょう。

手洗いやドライクリーニングを選ぶ

バンブー混紡のスーツは、洗濯機で洗うと型崩れや縮みの原因になる可能性があります。手洗いやドライクリーニングを選ぶことで、生地の風合いや形を保つことができます。

アイロンは低温でかける

バンブー混紡のスーツは、高温でアイロンをかけると生地が傷んだり色あせしたりする恐れがあります。アイロンは低温でかけるか、あて布を使ってかけましょう。

リネン

リネンは、夏の暑さに負けない爽やかな着こなしができる生地です。リネンは麻と呼ばれる植物繊維で、吸湿性や発散性に優れています。また、ナチュラルな風合いやシワ感が魅力的で、エイジングも楽しめます。

リネン生地の特徴

リネンスーツは、リネン素材を使ったスーツです。リネン素材は、亜麻という植物の茎から採られる繊維で、セルロースが主成分です。リネン素材には以下のような特徴があります。

　・丈夫で長持ちする

　・吸水性や発散性に優れる

　・汚れが落としやすい

　・抗菌性や消臭効果がある

　・光沢感が少なく、ナチュラルな風合いがある

　・シワになりやすい

　・伸縮性がない

リネンスーツのメリットは、夏場でも涼しく快適に着られることです。リネン素材は、空気を多く含むために熱伝導性が高く、「ひんやり」とした肌触りがします。また、汗や湿気を吸収して発散することで、さらっとした着心地を保ちます。さらに、ペクチンという成分によって汚れを染み込みにくくし、抗菌性や消臭効果も発揮します。

また、リネンスーツは、ナチュラルで涼しげな雰囲気を演出できることもメリットです。リネン素材は、光沢感が少なく、シャリ感やシワ感があります。これらの特徴は、クラシカルで上品な印象を与えます。また、色味も淡いものが多く、爽やかさを感じさせます。

さらに、リネンスーツは、エイジングも楽しめることもメリットです。リネン素材は、着用や洗濯によって繊維が柔らかくなり、風合いが増します。また、シワや毛羽立ちなども、自分の体に合わせた味わいとなります。リネンスーツは、長く愛用することで、自分だけの一着に育てることができます。

リネン生地の注意点

リネンスーツのデメリットは、シワになりやすいことです。リネン素材は、伸縮性がなく、生地にハリがあるためにシワができやすいです。特に、肘や膝などの曲げ伸ばしをする部分には、シワが入ってしまいやすいです。シワは、リネン素材の風合いとして楽しむこともできますが、ビジネスシーンでは不潔やだらしない印象を与える可能性もあります。

また、リネン素材は洗濯すると縮んだり伸びたりする可能性があります。乾かす際にもシワを伸ばしたり、アイロンをかけたりする必要があります。さらに、リネン素材は虫食いされやすいため、保管する際には防虫剤を使ったり、風通しの良い場所に吊るしたりする必要があります。

ポリエステル

ポリエステルのスーツは、安くて丈夫な素材として人気がありますが、上手に選びさえすれば高級感のある着こなしをする事もできます。

ポリエステル生地の特徴

ポリエステルのスーツには、他の素材にはないメリットがあります。それは以下のような点です。

価格が安い

ウールやカシミアなどの天然繊維は高価であることが多いですが、ポリエステルは安価で購入できます。そのため、複数枚揃えたり、色々なデザインを試したりすることができます。

種類が豊富

ポリエステルは加工しやすい素材であるため、さまざまな風合いや光沢感を出すことができます。また、他の素材と混紡することで、ウールやシルクなどの天然繊維の良さを取り入れることもできます。そのため、自分の好みや目的に合わせて選ぶことができます。

オールシーズン着用可能

ポリエステルは温度調節機能があまりないため、夏は涼しく冬は暖かく感じることができます。また、湿気を吸わないため、汗をかいてもサラッとした着心地を保つことができます。そのため、季節を問わず着用することができます。

ポリエステルのスーツの選び方

ポリエステルのスーツはメリットが多いですが、注意しなければいけないこともあります。それは以下のような点です。

吸湿性や通気性が低い

ポリエステルは水分を吸わないため、汗をかいた時に肌にべたつくことがあります。また、空気を通さないため、蒸れやすくなります。そのため、暑い日や運動量の多い日には不快に感じることがあります。

静電気が起きやすい

ポリエステルは摩擦で静電気を発生しやすい素材です。そのため、服同士や髪の毛などに引っ付きやすくなります。また、静電気は衣服の汚れやホコリを引き寄せる原因にもなります。そのため、定期的にブラッシングや洗濯をすることが必要です。

光沢感が強い

ポリエステルは光沢感があることで高級感を出すことができますが、逆に安っぽく見えることもあります。特に、色やデザインが派手な場合や、光の当たり方によってはチープな印象を与えることがあります。そのため、シンプルで落ち着いた色やデザインを選ぶことがおすすめです。

以上に気を付けて、ポリエステルのスーツを選ぶときには以下のようなポイントに注意しましょう。

混紡率や織り方に注目する

まず、混紡率や織り方に注目することが大切です。ポリエステルは他の素材と混紡することで、吸湿性や通気性などの機能性を向上させることができます。例えば、ウールと混紡した場合は温度調節機能が高まりますし、シルクと混紡した場合は光沢感が抑えられます。また、織り方によっても風合いや光沢感が変わります。例えば、平織りよりも綾織りの方が光沢感が強くなりますし、ツイル織りよりもサテン織りの方が滑らかで柔らかくなります。そのため、自分の好みや目的に合わせて混紡率や織り方を選ぶことがおすすめです。

裏地や副資材もチェックする

裏地や副資材はスーツの見た目や着心地に大きく影響します。例えば、裏地はポリエステルだけでなくレーヨンやキュプラなどの素材もあります。レーヨンやキュプラは吸湿性や通気性に優れており、ポリエステルよりも肌触りが良くなります。また、副資材として使われる芯地や肩パッドはスーツのシルエットや着心地に影響します。

芯地はスーツの胸元や襟元に入れられる補強材で、スーツに形や張りを与えます。芯地には接着芯と縫い付け芯の二種類があります。接着芯はポリエステルなどの化学繊維で作られた芯地を接着剤で生地に貼り付ける方法です。縫い付け芯はウールや麻などの天然繊維で作られた芯地を縫い目で生地に固定する方法です。接着芯は安価で製造しやすいですが、洗濯やアイロンで剥がれやすくなります。縫い付け芯は高価で製造に時間がかかりますが、洗濯やアイロンに強く、自然なシルエットを作ります。

肩パッドはスーツの肩部分に入れられるクッション材で、肩のラインやバランスを整えます。肩パッドには厚さや形状がさまざまなものがあります。厚すぎる肩パッドは肩幅を広く見せることができますが、不自然に見えることもあります。薄すぎる肩パッドは自然な肩のラインを出すことができますが、だらしなく見えることもあります。そのため、自分の体型や好みに合わせて適度な厚さや形状の肩パッドを選ぶことがおすすめです。

試着して着心地や見た目を確認する

ポリエステルのスーツは素材や加工によって風合いや光沢感が異なります。また、サイズやカットによっても着用感や印象が変わります。そのため、実際に着てみて自分に合っているかどうかをチェックすることが大切です。試着するときには以下のようなポイントに注意しましょう。

　肩幅や袖丈、ウエストなどのサイズがぴったりかどうか

　背中や腕などの動きやすさや窮屈さがないかどうか

　襟元や胸元などのシルエットやバランスが良いかどうか

　色やデザインが自分の雰囲気や目的に合っているかどうか

　光沢感や質感が高級感を出しているかどうか