オーダースーツおすすめ完全網羅 比較ランキング50店 > コラム > 「手の届く高級」は本当に得?麻布テーラーの実力を徹底検証!
                  オーダースーツを検討するビジネスマンの多くが、まず名前を挙げるのが「麻布テーラー(Azabu Tailor)」です。
麻布テーラーが支持されるのは、手が届きやすい価格ながらも、インポート生地やトレンド感のあるデザインを楽しめる絶妙なバランスにあります。
しかし、「手の届く高級」という立ち位置には、相応の制約も伴います。オーダーの自由度や納期、採寸スタッフのスキルなど、利用者があらかじめ理解しておくべき妥協点もあるのです。
本記事では、麻布テーラーの価格構造やモデル別のフィッティング精度、サービスの質を徹底検証し、メリットを最大限に活かすために知っておきたい注意点や制約も詳しく解説します。
目次
麻布テーラーは、「自分らしいスタイルの追求」をブランド理念の中心に据えています。
体に合うスーツを仕立てることにとどまらず、着る人の個性や価値観を反映した一着を提供することをコンセプトとしています。
そのため、採寸やデザイン提案に加えて、顧客のライフスタイルや好みを丁寧に聞き取り、理想の装いを共に考えるパーソナルカウンセリングを重視。
スタッフは一人ひとりに寄り添いながら、最適なシルエット・素材・スタイルを提案し、オーダーを超えた共創型のスーツづくりを実現しています。
このように麻布テーラーは、自分らしさを大切にする現代のビジネスパーソンに寄り添い、装いを通じてその人の魅力を引き出す、真のパーソナルブランドを体現しているのです。
麻布テーラーがブランド理念を実現するうえで重視しているのは、「価格の明確さ」「フィッティングの精度」「時代に合った提案力」の3つです。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
麻布テーラーの大きな魅力のひとつは、良質なオーダースーツを比較的リーズナブルな価格から提供している点です。
特に、初回限定のスターティングプライスは、オーダースーツ初心者にも挑戦しやすい価格帯として人気を集めています。
さらに、オプション料金が明確に区分されているため、どの工程にどれだけの費用がかかるのかが分かりやすく、コスト構造の見える化が徹底されています。
これにより、初めての利用でも安心して注文できる環境が整っており、信頼感のあるブランドとして支持を広げています。
麻布テーラーのオーダーシステムは、既存のゲージ服を基に体型や姿勢に合わせて補正を加えるパターンオーダー方式を採用しています。
フルオーダーほどの自由度はないものの、肩の傾きや猫背など、既製服では難しい補正にも柔軟に対応。これにより、見た目の美しさと快適な着心地の両立を実現しています。
また、店舗スタッフの豊富な経験と技術によって、顧客の要望を的確に反映したフィッティングが可能となり、自分だけの一着という満足感を提供しています。
さらに、麻布テーラーの特徴として挙げられるのが、トレンドを的確に取り入れたスタイル提案です。
シーズンごとに開催されるフェアや、限定生地のラインアップは、ファッション感度の高い顧客から高い評価を得ています。
クラシックな仕立ての美しさを守りながらも、現代的なシルエットや色使いを巧みに取り入れることで、着る人の印象をより洗練されたものに演出。
こうした柔軟な発想と企画力が、麻布テーラーを他のオーダースーツブランドと一線を画す存在にしています。
麻布テーラーのスーツ価格は、生地の種類や仕立て内容によって大きく変動します。以下は、一般的な価格帯とその特徴の目安です。
価格帯
1着あたりの目安(税込)
主な生地の特徴
スターティングライン
約4.4万円~
麻布テーラーオリジナル生地、国内ミル(紡績工場)生地など
標準ライン
約6万円~9万円台
カノニコ(伊)、レダ(伊)など中堅インポート生地
ハイグレードライン
10万円以上
ゼニア、ロロ・ピアーナなどの高級インポート生地
このように、麻布テーラーは4万円台から高級生地を扱う10万円台以上まで、幅広い価格設定で多様な顧客層に対応しています。
初めてのオーダーからこだわり派まで、自分の目的や予算に合わせて選べる点が大きな魅力です。
麻布テーラーがこの価格を実現できる背景には、パーソナルオーダーと呼ばれるパターンオーダー方式の採用があります。これは、既存のゲージ服をもとに、体型に合わせて補正を行う仕組みです。
フルオーダーのように一から型紙を作成するわけではないため、生産効率が高く、コストを大幅に抑えることができます。
さらに、長年にわたる提携縫製工場との安定的な取引によって、生地仕入れや縫製コストの最適化も実現しています。
こうした合理的な生産体制により、麻布テーラーは品質と価格のバランスが取れたオーダースーツブランドとして評価されています。
一方で、麻布テーラーのオーダー方式には、パターンオーダー特有の制約も存在します。
比較的安価な価格帯を実現しているオーダースーツの多くは、大量生産された既定の型紙(パターン)をベースにしており、麻布テーラーもその仕組みを採用しています。
そのため、ゲージ服の試着である程度満足のいくフィッティングが得られたとしても、体型の左右差や姿勢の歪みなど、個別性の高い補正については限界があります。
完全な一点ものを求めるフルオーダーとは異なり、麻布テーラーの仕立てはあくまでパターンオーダーの範囲内での最適解であることを理解しておくとよいでしょう。
麻布テーラーでは、基本料金に加えて有料オプションを選択するカスタマイズ方式を採用しています。
標準仕様に含まれるのは、裏地やボタンなどの最低限の構成であり、耐久性の高いキュプラ裏地や高級感のある本水牛ボタンなどは有料オプションとなります。
これらを追加することで見た目や質感が大きく向上しますが、同時に総額も上がる点には注意が必要です。
特に、「せっかくのオーダーだから」とオプションを増やしていくと、最終的な支払額がスターティングプライスの倍以上になるケースも少なくありません。
こうした価格帯になると、フルオーダー専門店や高級ブランドと競合する領域に入り、麻布テーラーのコスパの優位性が薄れてしまう可能性があります。
そのため、オプション選びでは、見た目に直結する部分と機能性を高める部分を優先し、費用対効果を意識した取捨選択がポイントとなります。

麻布テーラーでは、複数のスーツモデルを展開することで、ビジネスからカジュアルまで幅広いニーズに対応しています。
ただし、オーダーはあくまでゲージ服をベースにしたパターンオーダー方式であるため、選ぶモデルによって完成後の印象が大きく変わります。
そのため、どのモデルを選ぶかは仕上がりの満足度を左右する重要なポイントです。
麻布テーラーの中でも最もスタンダードな位置づけのモデルです。
クセの少ないシルエットで、多くの体型に自然になじみやすく、初めてオーダーする方にもおすすめ。極端なトレンド要素がなく、数年にわたって着用できる汎用性の高さが魅力です。
ビジネスシーンからフォーマルまで幅広く対応できる、まさに王道モデルといえます。
英国調の伝統的なスーツスタイルを踏襲したモデルで、肩周りに構築的なラインを持たせた重厚感あるデザインが特徴です。
クラシックで威厳のある印象を与えるため、堅めのビジネスシーンや役職者に特に好まれます。
ただし、タイトに仕上げすぎるとやや動きにくく感じる場合があるため、フィット感よりもバランス重視で仕立てるのがポイントです。
軽快さとエレガンスを両立させた、イタリアンテイストのモデルです。
薄い肩パットと絞り込んだウエストラインにより、柔らかく自然なシルエットを演出。見た目の軽やかさや洒落感を重視する方に人気があります。
一方で、スリムなデザインゆえに体型の特徴が出やすく、姿勢や骨格によっては細部が強調されるケースもあるため、試着時の確認が欠かせません。
麻布テーラーの各モデルには、それぞれ設計上の型(パターン)が存在します。
たとえば、ラペル(襟)の幅や肩パットの有無など、モデルごとに設定された骨格的な要素は基本的に固定されており、「このモデルの肩幅を極端に広げる」といった大幅な変更は難しいのが実情です。
したがって、仕立てたいイメージを明確にしたうえで、ベースモデルの特徴を理解して選ぶことが理想的です。
採寸時には、スタッフが体型補正を丁寧に提案してくれますが、補正量が多くなるほどシルエットが崩れやすく、自然な仕上がりを損ねるリスクが高まります。
そのため、無理な補正に頼るよりも、自分の体型に最初から近いモデルを選ぶことが、満足度の高い一着を作る近道です。

オーダースーツの印象や着心地を大きく左右するのが「生地選び」です。
麻布テーラーでは、価格・品質・デザインのバランスに優れた多彩な生地を取り揃えており、ビジネスからカジュアルまで、目的に合わせた最適な一着を仕立てることができます。
麻布テーラーでは、イタリア・英国を中心としたインポート生地を多数取り扱っています。
 中でも人気のブランドと特徴は以下のとおりです。
ブランド名
生産国
特徴
価格帯の目安(税込)
カノニコ(CANONICO)
イタリア
軽さと発色の良さが魅力。オールラウンダーで人気
約6〜9万円台
レダ(REDA)
イタリア
柔らかな質感と自然な光沢。ビジネスに最適
約7〜10万円台
ビターレ・バルベリス・カノニコ(VBC)
イタリア
上品でクラシックな風合い。コスパ抜群
約7万円前後
ゼニア(Ermenegildo Zegna)
イタリア
世界最高級ブランド。滑らかで軽いが高価
約10万円以上
ロロ・ピアーナ(Loro Piana)
イタリア
シルクのような艶と柔らかさ。フォーマル向け
約12万円以上
初めてのオーダースーツやコスパ重視の方には、カノニコ・レダ・VBCなどの中堅ブランドがおすすめ。高品質ながら価格を抑えられ、見た目も上品に仕上がります。
麻布テーラーでは、季節ごとに登場する限定フェア生地や、国内で丁寧に織られた国産生地も高い人気を集めています。
・他店にはないデザインや色柄が豊富で、自分らしい個性を表現できる。
・トレンドを意識した素材が多く、シーズン感のあるおしゃれな印象を演出できる。
・限定生地の中には、在庫整理品やトレンドに偏った素材が含まれる場合もある。
・デザイン性を重視しすぎると、ビジネスシーンでは浮いてしまうことがある。
見た目のインパクトよりも、使用シーンを意識して選ぶことが大切です。そのうえで、耐久性や手入れのしやすさもチェックしておくと、長く快適に着用できる一着を選べます。
スーツ選びで多い失敗は、オールシーズン対応という言葉を鵜呑みにしてしまうことです。
真夏に中厚地のウールを着ると、通気性が悪く快適さを損ないます。
季節
おすすめ素材
特徴
春・夏
フレスコ、トロピカルウール、リネン混
通気性が高く、軽やかな着心地
秋・冬
フランネル、ツイード、サキソニー
保温性に優れ、上品で暖かい印象
通年
スーパーファインウール、ストレッチウール
バランス型だが、真夏・真冬には不向き
麻布テーラーの生地選びは、価格・品質・用途のバランスをどう取るかがポイントです。
自分のライフスタイルに合わせて賢く選ぶことで、麻布テーラーのオーダースーツを最大限に楽しむことができます。

麻布テーラーが価格以上の仕上がりと評価される理由の一つが、スタッフの提案力と丁寧な接客にあります。
一方で、店舗や担当者によってサービス品質に差があるとの声もあり、体験の満足度を左右するポイントを理解しておくことが大切です。
麻布テーラーのオーダーは、以下のような流れで進みます。
ステップ
内容
所要時間の目安
① カウンセリング
用途・好み・予算などをヒアリング
約15〜30分
② 生地・モデル選び
季節や体型に合う素材・モデルを選定
約20分
③ 採寸(ゲージ服試着)
サンプルスーツを試着し補正を加える
約20〜30分
④ ディテール選択
ボタン・裏地・ステッチなどオプション決定
約10分
⑤ 納品・試着
約4〜6週間後に完成スーツを受け取り
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初回カウンセリングでのヒアリング内容が、その後の生地選びや採寸精度に大きく影響するため、最も重要なステップといえます。
麻布テーラーの最大の強みは、スタッフの提案力にあります。特に初めてオーダースーツを作る人にとって、担当スタッフの知識とセンスは仕上がりを大きく左右する重要な要素です。
具体的には、以下の3つの力がカウンセリングの質を決定づけます。
しかし一方で、スタッフによってスキルや経験にばらつきがあるのも事実です。いわゆる「担当者ガチャ」と呼ばれるように、担当者次第で満足度が大きく変わることもあります。
そのため、より良いオーダー体験を得るには、以下の工夫が効果的です。
ポイント
内容
口コミを確認
来店前に、スタッフや店舗の評判をチェックする。
指名制度を活用
経験豊富なスタッフを選ぶことで安心感が高まる。
同じ担当者をリピート
過去に満足した仕上がりがあれば、同一担当者を継続指名。
このように、提案力の高いスタッフに出会えるかどうかが、麻布テーラーで理想の一着を仕立てる最大のカギとなります。
麻布テーラーでは、ゲージ服と呼ばれる見本スーツを着用しながら採寸を行います。
そのため、採寸自体は非常にスムーズで、短時間で全体のバランスを確認できます。
しかし、注意すべきは以下の点です。
経験豊富なスタッフほど、着心地の違和感や袖・肩の微調整を丁寧に拾い上げてくれる傾向があります。
採寸中に気になる部分があれば、その場で遠慮なく伝えることが満足度を高めるコツです。
麻布テーラーの納期は、通常4〜6週間前後です。
これは国内縫製の中ではやや長めで、以下のような理由によります。
要因
内容
生産効率の最適化
提携縫製工場と連携しコストを抑える体制
需要の集中
フェア時期(春・秋)は注文が集中しやすい
縫製精度の確保
細部までチェックを行うため時間を要する
そのため、結婚式・転職・式典などの予定がある場合は、1〜2か月前の予約が理想的です。
急ぎの場合は店舗によって「特急仕上げ」が可能なケースもありますが、追加料金がかかることもあります。
納品後には、下記のような保証・サポートがあります。
そのため、最初のカウンセリング段階で細部まで明確に伝えることが重要です。
どのような場面で着たいか(営業/式典/普段使い)を具体的に話すことで、スタッフの提案精度が上がり、満足度の高い仕上がりにつながります。
麻布テーラーは、品質と価格のバランスに優れた人気オーダースーツ店として高い評価を得ています。
しかしその一方で、オーダー方式やサービス面において留意すべきポイントも存在します。
ここでは、実際に利用する前に知っておきたいメリットと批判的な見解を整理して解説します。
麻布テーラーが多くのビジネスパーソンから選ばれる理由は、次の2点に集約されます。
一方で、実際の口コミや利用者の声からは、以下のような懸念点も指摘されています。
指摘事項
内容・懸念点
注意すべきポイント
① 納期が比較的長い
通常4〜6週間と、他社と比べてやや長め。
急ぎの案件には不向き。
価格を抑えるための工程上の制約と割り切る必要がある。
② フルオーダーではない
麻布テーラーはパターンオーダー専門店であり、完全なフルオーダーではない。
体型の左右差が大きい方や、独自のデザインを求める方には不向き。
③ 有料オプションを追加しないと普通になりがち
基本仕様では裏地・ボタンなどが既製服に近く、オーダー感に欠けるケースも。
細部にこだわるなら、オプション追加を前提に予算を組むのがおすすめ。
麻布テーラーは、「価格・品質・提案力」のバランスを重視する人には非常に優れた選択肢です。
ただし、フルオーダー並みの仕立てや即納を求める層には物足りなさが残る可能性もあります。
自分がどのレベルの仕立て体験を求めているのかを明確にした上で、最適な選択をすることが満足度向上の鍵となります。
麻布テーラーは、見た目の上質さと手の届く価格を両立させた“コスパ系オーダースーツ”として人気を集めています。
しかし実際には、採寸や補正の自由度はフルオーダーに遠く及ばず、あくまで既成スーツをベースにしたパターンオーダーの範囲内にとどまります。
生地やオプションを追加すればするほど価格は上がり、結果的に「思ったほど安くない」と感じるケースも少なくありません。
また、納期の長さや担当スタッフによる提案力の差も、ユーザー評価が分かれる要因となっています。
つまり麻布テーラーは、安くてそこそこ良いを求める層にはちょうど良いですが、理想の一着を突き詰めたい人には物足りないブランドと言えるでしょう。価格と品質のバランスをどう捉えるかが、満足度を左右するポイントです。
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