オーダースーツおすすめ完全網羅 比較ランキング50店 > コラム > フランススーツの特徴とおしゃれな着こなし術
フランスはスーツに関してはイギリスやイタリアと比べると影が薄く感じるものの、元々ファッション性に優れた国であることは間違いありません。 実際にフランスのスーツは、ブリティッシュスーツやイタリアスーツと比較しても遜色のない優れた特徴を持っています。 そこで今回は、フランススーツの特徴や着こなしのテクニックを紹介します。 スーツ好きな人であれば見逃せない内容なので、ぜひ本記事を読んでフランススーツへの理解を深めてください。
目次
まずはフランススーツの歴史を簡単に紹介します。 もともとフランスはファッションの伝統が強い国で、1789年に起こったフランス革命以前は流行の中心地といわれていました。 しかし、フランス革命後はファッションの流行がイギリスに移ったため、フランスでは長年、男性の服装はイギリスやイタリアの流行を取り入れる形が続いていました。 たとえば、フランススーツの中心的存在である『チフォネリ』というブランドは、1880年創業した場所はイタリアのローマであり、1936年にパリに店をオープンしています。
女性のファッションではエルメスに代表されるような有名ブランドを多数輩出しているフランスですが、男性ファッションのブランドはやや層が薄いかもしれません。 そのためスーツにおいてもイギリス、イタリアと比べて印象が薄くなってしまっているといえるでしょう。
フランススーツの特徴を知る前に、フランス人の国民性を知ることでスーツに対する理解も深まります。 フランス人は男女ともにコミュニケーションを取ることを好みますが、ある一定のライン以上踏み込まないようにしている傾向があります。 一人ひとりのプライドが高く、お互いにそのプライドを尊重しているので、他人にあまり干渉せず心の距離感を一定以上保つことを重要視しているのです。 また、エッフェル塔やルーブル美術館などの世界的な文化遺産や美術館があるフランスは、芸術の国といわれ芸術への意識が非常に高いです。 そのため、フランススーツは芸術的な観点からエレガンスさや上品さが重視される傾向にあります。
イギリスやイタリアと比べると印象が薄く感じるものの、フランスは元々ファッション大国であるためスーツにも独特な特徴が表れています。 フランスという国は、地理的にイタリアとイギリスという2つ代表的なスーツ生産国に挟まれています。 そのため、フランススーツはこの2つの国のスーツの特徴から影響を受けて独自のスタイルを生み出しました。 具体的には、イタリアのように色気を重視して異性へのアピールをするわけでもなく、ブリティッシュスーツのように重厚感があるわけでもないというような形です。 フランススーツの大きな特徴は、優美で洗練された印象を与える独特のデザインにあります。 ほかのスーツとの違いについて具体的な特徴について紹介します。
フランススーツの1つ目の特徴が、「フィッシュマウス」と呼ばれる独特な形状のえりです。 スーツの上襟部分と下襟部分とのつなぎ目をゴージラインと呼び、ゴージラインの縫い方や切れ目の入れ方によってスーツの印象が大きく変わります。 フランススーツの襟の形は、上襟が比較的小さく丸みを帯びていて下襟が水平に切られています。 この下襟の切れ目の形状が魚の口のように見えることから、フランススーツの襟の形はフィッシュマウスと呼ばれています。
フランススーツの2つ目の特徴が、「ドロップショルダー」と呼ばれる肩の形状です。 ドロップショルダーは、普通のスーツよりも首から肩のラインが腕側に下がっている形状です。 一般的なスーツの肩のラインよりも曲線が強調されるため、中性的で優美な印象が与えられます。 シャープなシルエットでありながら、動きやすく楽に着こなせるのがドロップショルダーの特徴です。
フランススーツの3つ目の特徴が、全体的に重心が上にあるように感じさせるデザインになっていることです。 フランススーツはブリティッシュスーツやイタリアスーツと比べると、ウェストのシェイプ位置やポケットの位置がやや高くなっています。 ウェストの位置が高いと足が長く見えやすいため、スタイルがよく見えるという特徴もあります。 これらは「エレガンスさ」を大切にする、ファッション大国フランスならではの特徴だといえそうです。
フィッシュマウスのデザインが特徴的なフランススーツは、ビジネスシーンではやや使いにくいかもしれません。 中性的で優美な印象を演出しやすいということは、裏を返すと男性的な印象やフォーマルな印象を与えにくいともいえます。 しかし、フランススーツを着ればファッショナブルなスタイルを演出できるとも考えられるので、クリエイターやデザイナーなどアート系の職種の人にはおすすめです。 または、芸能人やモデルなどのファッションセンスが求められる業界や職種の人にもマッチするかもしれません。
フランススーツは、通常通りネクタイを締めるようなスタイルはもちろん、ノーネクタイでインナーをタートルネックのセーターにするようなカジュアルなスタイルもよいでしょう。 配色は黒やグレーなどの定番のシンプルな色もよいですが、ベージュや茶色を選択すると洗練されたファッションセンスが強調されます。 また、フランススーツをオーダーする場合は、少し艶感がある生地を選ぶようにすると中性的な形状と相まって、上品でラグジュアリーな装いとなるのでおすすめです。
世界中でおしゃれの象徴として知られるフランス。
フランス人と日本人では、ファッションに対する考え方に大きな違いがあります。
ここから、フランス人のファッションの特徴をチェックしていきましょう。
フランス人は自分が気に入った服を長く愛用するのが特徴です。
フランス人はクローゼットに10着しか服を持たないと言われているほど、本当に気に入ったアイテムだけを身に着けます。
フランス人にとって、服はアイデンティティです。そのため、トレンドを追い求めるよりも自分らしく着られるワードローブを揃えています。
一方、日本人はさまざまな服を着て、トレンドや変化を楽しむ傾向にあります。
フランス人はファッションの配色やデザインが非常にシンプルです。
ブラック・ネイビーなどのダークカラーと、ホワイト・ベージュなどの淡いカラーのベーシックアイテムを組み合わせるスタイルが主流です。そこに小物で自分らしいアレンジを加えます。
デザインに関してはクラシックなパターンが多く、シンプルながらも上品さが際立ちます。
フランス人はファッションアイテムを選ぶ際、質の高さを重要視しています。
上質な素材や職人にもこだわり、長く愛用できるアイテムを選んでいるのが特徴です。
ただし、リーズナブルなアイテムを敬遠しているわけではありません。
ハイブランドとファストファッションを上手に組み合わせるテクニックも、見習いたいポイントです。
フランスのスーツスタイルも素敵ですが、フレンチカジュアルに憧れている方も多いのではないでしょうか。
ここから、フランス人のデイリーコーデに欠かせない定番ファッションアイテムをご紹介します。
フレンチカジュアルスタイルに欠かせないのが、ボーダー系のアイテムです。
特にボーダーカットソーが代表的で、フランス海軍のユニフォームが起源となっています。
ただし、ボーダー系アイテムは子供っぽく見えてしまう可能性もあるので、選び方には注意が必要です。
大人の雰囲気を演出するためには、細ピッチのボーダーをチョイスするとよいでしょう。
アウターが必要な時期には、ベージュのトレンチコートをサラッと羽織るのがフランス流。シンプルなボーダートップス×デニムといったコーデにラフに羽織るだけでも、品のあるフレンチファッションに仕上がります。
フレンチカジュアルコーデを目指すなら、ホワイトを効果的に取り入れるのもおすすめです。
白のレギュラーカラーシャツであれば、大人の品格と清潔感が演出でき、幅広い着こなしに対応します。
1枚で着るのはもちろん、ニットやアウターと重ね着しても、羽織りものとしても活躍する万能アイテムです。
フレンチカジュアルのアクセントとしてスカーフは欠かせないアイテムです。
ベーシックなコーディネートに華やかさを演出してくれるスカーフは、ファッションにこだわりのあるフランス人から高い人気を誇ります。
フレンチスタイルでは派手な色や柄を使用しない傾向がありますが、スカーフに限ってはインパクトのあるデザインも好まれます。
フレンチカジュアルを足元から格上げしてくれるのがローファーです。
堅苦しくなりすぎずラフになりすぎない絶妙な佇まいが、パリジャンたちから愛されています。
正統派コインローファーは汎用性が高く、幅広い着こなしにマッチするのが特徴です。
甲に金具が付いたビットローファーを選べば、足元はドレッシーに仕上がり、大人の遊び心
フランススーツのおすすめブランドを4つ紹介します。 カジュアルでリーズナブルなブランドから、ラグジュアリーブランドまで網羅したのでぜひご覧ください。
1つ目のブランドは、フランスを代表する1880年創業の老舗紳士服ブランド「チフォネリ」です。 チフォネリはフランスの紳士服ブランドをリードする存在であり、フランス独特のエレガントさが伝わってくるスーツを販売しています。 チフォネリのスーツは、「モード界の皇帝」ともいわれるカール・ラガーフェルドというデザイナーに「『チフェネリ』の肩のラインは100メートル先からでも分かる」といわせるほど大きく張り出した独特なショルダーラインが特徴です。 フランススーツの特徴とされる独特なドロップショルダーは、チフォネリが最も得意とするスーツスタイルでもあります。 価格は15~20万円と高級ブランドのなかでは手が届きやすい水準です。
2つ目のブランドは、有名ファッションブランドのランバンです。 ランバンはブランド創業から120年を超える歴史と伝統があり、フランスでもっとも人気のあるファッションブランドの一つです。 芸能人に愛好家が多いとも言われており、富裕層やエグゼクティブからも高い人気を得ています。 ランバンのスーツの特徴は、シンプルな装飾や色彩をしており、優美な印象を与えるようなデザインを採用している点にあります。 フランススーツの特徴を生かした作りであり、エレガントで中性的なデザインを好む人には大変おすすめです。 ランバンのスーツはジャケットとパンツを合わせて20万円程度と、比較的手に取りやすい水準の価格帯です。
3つ目のブランドは、女性のあいだでも有名なマリクレールです。 メンズラインを持っており、男性用スーツも販売しています。 マリクレールのスーツは、洗練されたモード感を大切にしたデザインとなっており、フランススーツの特徴である高さのあるゴージラインやシャープなラペルが特徴的です。 また、10万円前後とリーズナブルな価格で購入できます。 マリクレールオムというカジュアルラインも持っており、こちらのスーツはさらにリーズナブルな4~5万円程度で購入することも可能です。
4つ目は有名ラグジュアリーブランドのルイ・ヴィトンです。 女性向けのバッグで有名ですが、幅広い商品を扱っており、その中に男性用スーツもあります。 ルイ・ヴィトンのスーツは、パリコレで見かけるような艶感やモード感が強いスタイルが多い点が特徴です。 華やかなパーティーを中心にプライベートシーンで活躍しそうなスーツが揃っています。 一方で、ジャケット一枚で40万円という高価格なスーツが多いので、ビジネスシーンで気軽に活用するのは難しいかもしれません。 アパレル業界の経営者やエグゼクティブ、芸能人などファッション性が求められる業界・業種の方は一着持っておくのもよいのではないでしょうか。
フレンチテーラーリングの最高峰とされる老舗メゾン「スマルト」。
スマルトは、ハンドメイド中心の非常に高価なスーツを手掛けています。既製品で40万円、フルオーダーだと100万円にも届く価格帯です。
2018年のワールドカップ王者であるフランスサッカー代表のスーツもスマルトがオフィシャルスーツを手掛けています。
そんなスマルトでチーフカッターを務めるのが、日本人の鈴木健次郎氏です。
鈴木氏はフランスでヘッドカッターの地位を獲得した唯一の日本人として、近年メディアにでも取り上げられています。
デザインを強調することなく、控えめな美を体現し、身体に自然となじむ立体感のある美しいスーツを生み出すのが鈴木氏の磨き抜かれた技です。
世界的な高級ファッションブランドである「サンローラン」。
サンローランは1961年にイヴ・サンローランとパートナーのピエール・ベルジェによって設立されたブランドです。
2012年にブランド名が変更され、現在は「サンローラン・パリ(SAINT LAURENT PARIS)」という名称になっています
サンローランが人気を集める最大の理由は、そのデザイン性の高さです。
エレガントで革新的なデザインは創業当初から世間の脚光を浴び、イヴは「モードの帝王」と呼ばれました。
イヴが提案したトリコロールカラーの「モンドリアン・ルック」や、男性ファッションを女性向けに再解釈した「サファリジャケット」や「スモーキング(タキシード)」などは、当時の伝統的な女性のファッションの常識を覆し、新しいモードファッションを世界中に広めました。
現在もサンローランはセレブ御用達ブランドとして揺るぎないポジションに君臨しています。
ディオールはクリスチャン・ディオールが創業したフランスのラグジュアリーブランドです。ウェアやバッグ、ジュエリーからコスメまでトータルで展開しています。
ディオールオムは、クリスチャンディオールのメンズラインです。2001~2002年秋冬のパリコレクションからスタートした比較的新しいブランドです。
ディオールオムは当時のメンズファッションでは異色の非常にタイトなスタイルを発表し、世界中のファッションに影響を与えました。
今ではファッションとして定着しているロックスタイルやスキニーパンツは、ディオールオムがトレンド化したスタイルです。
2012年秋冬シーズン辺りからは、よりクラシカルでスーツに重きを置いたコレクションにシフトしています。
無駄がなくミニマムで、男性の身体のラインを美しくみせるスーツを中心に展開しています。
1952年にフランスで創業したブランドのジバンシィ。
創業者はユベール・ド・ジバンシィで、彼の名がブランド名の由来となっています。
新しいアイデアを発表するたびに、その斬新なデザインが注目され「モードの神童」という異名が付けられていました。
ジバンシィは創業当初から「エレガンス」をブランドコンセプトに掲げています。
身につけることで誰でもエレガントな雰囲気になれるようなファッションアイテムを多数生み出しています。
ジバンシーのアイテムはいずれも上品でありながら普段使いできるものばかりです。
特に、高品質な素材が使われているクラッシックスタイルのジャケットやスーツは、40代からシニア層の大人世代に高く評価されています。
ジバンシィは創業から60年以上経ちますが、現在も新作を生み出し続けながらトレンドをリードしています。
今回は、フランススーツの特徴や着こなしのテクニックを紹介しました。 フランススーツは、肩のラインが曲線的であることをはじめ、全体的にデザインが中性的です。 そのため、フランススーツを身に着けると優美な印象を与えられます。 フランススーツを着る際は、ベージュ色を使ってみることやノーネクタイのスタイルも取り入れて少しカジュアルな着こなしを意識するとよいでしょう。 おすすめのブランドには、高級ブランドが多く並びましたが、ランバンとマリクレールのスーツは手が届く範囲の価格帯なので気になる人はチェックしてみてください。