オーダースーツおすすめ完全網羅 比較ランキング50店 > コラム > 【検証してみた】KASHIYAMA(樫山)のオーダースーツはなぜ最短1週間で届く?33,000円からの品質とタイパの実力を徹底レポート
かつてオーダースーツは、完成まで1ヶ月以上かかるのが一般的で、時間に余裕のある人向けの選択肢とされてきました。そうした常識を大きく変えたのが、アパレル大手オンワード樫山が展開するオーダースーツブランド、「KASHIYAMA(カシヤマ)」です。
デジタル技術と自社生産体制を武器に、KASHIYAMAは最短1週間というスピード納品を実現しました。現在では年間20万着を超える受注実績を誇り、価格とスピードを両立した存在として、オーダースーツ市場で急速に存在感を高めています。
本稿では、筆者が実際に店舗を訪れ、一着のスーツを仕立てる工程を体験。その過程を通じて、なぜ最短1週間での納品が可能なのか、その仕組みを掘り下げるとともに、33,000円からという価格帯で提供されるスーツの品質が実用に耐えるものなのかを検証します。
単なるキャッチコピーに左右されるのではなく、忙しいビジネスパーソンにとって本当に時間効率の良い選択肢なのか。メリットだけでなく、事前に把握しておきたい注意点やデメリットも含めて、客観的にレポートしていきます。
目次
オーダースーツの納期・価格・注文の手間を最小限に抑える仕組みとして注目されているのが、KASHIYAMAのスマートオーダーです。
KASHIYAMAのスマートオーダーを象徴するのが、最短1週間という業界最速クラスの納期と、33,000円から始められる価格設定です。オーダースーツにありがちな「時間がかかる」「高価」というイメージを大きく覆す仕組みが整えられています。
このスピードを支えているのが、独自に構築された製造・物流ラインです。受注後は中間業者を介さず、工場から直接自宅へ配送するダイレクトデリバリー方式を採用。店舗在庫や複雑な流通工程を省くことで、納期短縮とコスト削減の両立を実現しています。
KASHIYAMAでは、用途やこだわりに応じて選べる2つのラインが用意されています。
スタンダードライン(税込33,000円〜)は、高機能なポリエステル混紡生地を中心に構成され、日常のビジネスシーンや着回し用途に適した実用性重視のラインです。コストを抑えつつ、オーダーならではのフィット感を求める人に向いています。
ハイグレードライン(税込55,000円〜)では、イタリアやイギリスのインポート生地も選択可能。生地の質感や風合い、見た目の上質さにこだわりたい人向けの内容となっています。
注文方法は、店舗での対面採寸とオンライン完結の2通りから選択できます。初回は店舗でプロによる採寸を受けることで、体型データが保存されます。
一度データを登録すれば、2着目以降はスマートフォンからいつでも注文が可能です。店舗に足を運ぶ必要がなくなるこの手軽さは、忙しいビジネスパーソンにとって大きなメリットと言えるでしょう。
初回は丁寧に、2回目以降は効率重視。この設計思想こそが、KASHIYAMAのスマートオーダーが高く評価されている理由の一つです。
筆者は実際にKASHIYAMAのガイドショップを訪れ、来店から注文完了までの流れを体験しました。
本章では、スマートオーダーがどれほど効率的なのか、またオーダースーツ初心者でも迷わず進められる設計になっているのかを、各ステップごとに検証していきます。
KASHIYAMAの店舗は「ガイドショップ」と呼ばれ、在庫を持たないショールーム形式が基本です。来店は事前予約制で、予約時間に合わせて入店すると、待ち時間なくすぐに案内が始まります。
実際に訪れて感じたのは、店舗全体が非常にモダンで、無駄を削ぎ落とした設計になっている点です。既製品が並ぶ売り場がないため、視界がすっきりしており、導線もシンプル。短時間で必要なことだけを済ませたい人にとっては、非常に相性の良い環境だと感じました。
一方で、スタッフとの会話を楽しみながら時間をかけて選ぶ、老舗テーラー的な体験を想像していると、やや淡白に感じる可能性はあります。あくまで効率重視の空間、という印象です。
入店後すぐに、生地やモデル選びに進むわけではありません。まずは、着用シーンや用途についての簡単なヒアリングが行われます。
といった内容を確認した上で、提案の方向性を定めていく流れです。
深掘り型のコンサルティングというよりは、必要最低限を押さえる実務的なヒアリングという位置づけで、ここでも全体を通して効率重視の姿勢が一貫しています。
生地やモデル選びは、主にタブレット端末を使って進めます。価格帯・ライン・機能性といった条件が整理されており、候補を絞り込む作業は非常にスムーズです。
スタンダードラインからインポート生地まで段階的に確認できるため、予算感を把握しやすい点はメリットと言えるでしょう。特に「価格がどこで上がるのか」が可視化されているのは、初心者にとって安心材料です。
ただし注意点もあります。実物確認は基本的に小さな生地スワッチが中心となるため、完成後のスーツ全体をイメージするのはやや難しく感じました。
大判の生地を肩に掛けて色味や落ち感を確認したい人にとっては、量販店や一部テーラーの方が満足度は高いかもしれません。
採寸は、用意されたベースモデルを実際に試着し、そこから数値を微調整していく流れです。完全なゼロベース採寸ではなく、再現性とスピードを重視したパターンオーダーに近い設計となっています。
調整項目は必要十分に整理されており、過度に複雑ではない点が特徴です。オンワードが長年蓄積してきた体型データをもとに、日本人の体型に合いやすい型紙が用意されているため、大きな補正を行わなくても、安定したフィット感に仕上がりやすいと感じました。
一方で、左右差が大きい体型や、細部まで強い補正を求める場合には、対応に限界を感じるケースも考えられます。
採寸と仕様確認が終わると、タブレット上で最終内容を確認し、そのまま注文手続きへ進みます。
支払いもスムーズで、ここまでの所要時間は想像以上に短く、初回来店でも1時間前後で完結しました。
全体を通して感じたのは、「オーダースーツ=時間がかかる」という先入観を崩す設計になっているという点です。
一方で、体験そのものに重きを置く人には、やや物足りなさが残る可能性もあります。
実際に注文から着用までを体験して感じたのは、KASHIYAMAの強みが、単なる価格の安さや納期の早さだけではないという点です。
着用したときのシルエットの今っぽさと、購入から受け取り、管理までの時間効率。その両方が高いレベルで両立されています。
KASHIYAMAのスーツは、全体的にスリムでモダンなシルエットが特徴です。細身ではあるものの、過度にタイトすぎる印象はなく、ビジネスシーンでも違和感のないバランスに整えられています。
シルエットの完成度が高い理由の一つが、オンワード樫山が「五大陸」などの伝統的ブランドで培ってきたパターン設計のノウハウです。
ただ細くするのではなく、肩周りや胸元には適度なゆとりを残し、大人の品格を損なわないラインに仕上げられています。
その結果、セレクトショップで見かけるような現代的な雰囲気を、ビジネススーツとして自然に落とし込んでいる印象を受けました。
完成したスーツは、一般的なハンガー配送ではなく、KASHIYAMA独自のパックに収納された状態で届きます。一見すると簡易的に思えるこの仕様ですが、実用面では大きなメリットがあります。
実際に開封してみると、すぐに着用できるほどシワが出にくく、アイロンがけを前提としない梱包であることが分かります。
自宅での受け取りが難しい人や、再配達や店舗受取の手間を避けたい人にとって、この配送方式は非常に合理的です。
注文から受け取り、着用までにかかる時間と手間を最小限に抑える。この一連の体験全体を通して、KASHIYAMAはオーダースーツにおけるタイムパフォーマンスを高い水準で実現していると感じました。
ここまでKASHIYAMAの強みや利便性を中心に見てきましたが、検証記事として公平性を保つためには、注意点や合わないケースにも触れておく必要があります。
万人向けに設計されているからこそ、好みや体型によっては物足りなさを感じる場面もあるのが実情です。
あえて厳しい視点で見ていくと、KASHIYAMAのシステムは高度に標準化されている分、対応できる範囲が明確に定められています。
そのため、細部まで強いこだわりを持つ人にとっては、選択肢が限られていると感じる可能性があります。
たとえば、重厚な毛芯を使った本格的な仕立てを好む場合です。KASHIYAMAは軽快さや着心地の良さを重視しているため、英国調のどっしりとした重さや構築的なフォルムを求める人には、やや軽すぎる印象を与えるでしょう。
また、左右の肩の高さに大きな差があるなど、複雑な体型補正が必要なケースでは、フルオーダーに近い専門店ほどの対応力は期待できません。
あくまで多くの人にフィットしやすい型紙をベースに調整する設計であることは、理解しておく必要があります。
もう一つ、事前に押さえておきたいのが納期に関する考え方です。KASHIYAMAは最短1週間で仕上がるというイメージが強いブランドですが、実際にはすべての生地や仕様がその対象になるわけではありません。
インポート生地を選んだり、特定のオプションを追加したりすると、仕上がりまでに2〜3週間ほどかかるケースもあります。そのため、どれを選んでも1週間で受け取れると思って来店すると、想定とのズレを感じる可能性があります。
早く手元に欲しいなら選択肢はある程度絞られますし、反対に生地や仕立てにしっかりこだわるほど、納期には余裕が必要になります。スピードを取るか、こだわりを取るか。この点を理解したうえで選ぶことが、KASHIYAMAで後悔しないためのポイントと言えるでしょう。

KASHIYAMAは、仕組みを理解して選ぶことで満足度が大きく変わります。ここでは、実際に体験して分かった「失敗を避けるためのポイント」を3つにまとめました。
KASHIYAMAの強みは、ストレッチ性やウォッシャブル対応といった機能性素材にあります。
クラシックなウール生地も選べますが、このブランドならではの快適さを実感したいのであれば、ハイテク素材を選ぶ方が満足度は高くなりやすいでしょう。
日常使いのビジネススーツとして、扱いやすさを重視する人ほど相性の良さを感じられます。
オンライン注文も可能ですが、初回の採寸データは今後すべての注文の土台になります。そのため、最初は必ず店舗でプロによる採寸を受けるのがおすすめです。
ここで妥協せず、自分の体型や好みをしっかり伝えておくことが、2着目以降をスムーズに、かつ満足度高く仕立てる近道になります。
注文後は、自分のサイズデータがアプリに反映されます。これを「見るだけ」で終わらせず、実際に着用して感じた微調整点をメモしておくのが賢い使い方です。
次回は「袖を少し詰めたい」「ウエストをわずかに絞りたい」といった要望を具体的に反映でき、回数を重ねるほど完成度が高まっていきます。
KASHIYAMAでは、スーツの納品から1年間、サイズ調整のお直しを無償で受けることができます。ただし、体型変化による大幅な修正は対象外となるため、その点は事前に理解しておく必要があります。
この保証制度は、最短1週間というスピード納品に対して抱きがちな「仕上がりが簡易的なのではないか」という不安を払拭する役割を果たしています。
実際に着用して日常動作をしてみて初めて気づく細かな違和感やフィット感のズレにも、きちんと対応できる体制が整っている点は、大手ブランドならではの安心材料と言えるでしょう。
納期の早さだけで完結せず、着用後まで含めてサポートする。このアフターケアの存在が、KASHIYAMAを初めてのオーダースーツとして選びやすくしている理由の一つです。
実際のビジネスシーンで3ヶ月間着用し続けた結果、KASHIYAMAのスーツは長時間着ても崩れにくい実用性に強みがあることが分かりました。
今回の検証では、KASHIYAMAのスーツを3か月間、週2回のペースで実際の業務に着用しました。
通勤はもちろん、出張時の飛行機や新幹線での長時間移動など、スーツにとって負荷のかかりやすい場面も意識的に重ねています。
その結果、特に印象的だったのがシワの出にくさです。長時間座ったあとの移動後でも、スラックスの膝裏や太もも周りに深いシワが残りにくく、見た目の清潔感を保ちやすいと感じました。
日常的に着用し、仕事をこなすための一着という意味で、働くための実用的なスーツとして高い完成度を備えているといえます。
周囲からの反応にも変化がありました。「それ、オーダーなの?」と聞かれることは多くありませんが、「いつもスーツが綺麗だね」と声をかけられる機会は確実に増えています。
派手さや分かりやすい高級感はありませんが、着用を重ねても型崩れしにくく、シワが目立ちにくい。この積み重ねが、結果として安定した印象につながっているようです。
耐久性とシワ耐性が、日々の評価に直結している点は、長期着用を前提としたスーツとして大きな強みと言えるでしょう。
KASHIYAMA・麻布テーラー・オーダースーツSADAを、納期・価格・特徴の3軸で比較し、それぞれの向き不向きを検証します。
比較項目
KASHIYAMA
麻布テーラー
オーダースーツSADA
最短納期
約1週間
約6週間
約4〜5週間
価格帯
33,000円〜
44,000円〜
21,780円〜
オーダー方式
パターンオーダー
パターンオーダー
フルオーダーに近い補正
特徴
スピード重視・利便性
提案力・トレンド感
価格の安さ・補正力
カスタマイズ性
必要十分(選択肢は限定的)
高い(生地・仕様が豊富)
体型補正の自由度が高い
店舗対応
全国展開・予約制
都市部中心・対面重視
全国展開・対面重視
向いている人
忙しい若手〜中堅層
こだわり派・服好き
コスパ重視・特殊体型
KASHIYAMAの最大の強みは、約1週間という短納期と、選択肢を絞ったスマートなオーダー体験です。
カスタマイズ性は必要最低限に抑えられているため、「細部まで作り込みたい人」には物足りなさを感じる可能性がありますが、その分、短時間で一定水準の仕上がりを期待できます。
スーツ選びに時間をかけられないビジネスパーソンにとって、合理性の高い選択肢と言えるでしょう。
麻布テーラーは、生地やディテールの選択肢が豊富で、スタイリストの提案力にも定評があります。
納期は長めで価格もやや高めですが、「せっかくオーダーするなら自分好みに仕上げたい」という人には満足度が高いブランドです。
スーツそのものだけでなく、選ぶ過程も含めて楽しみたい層に向いています。
SADAは3社の中で最も価格が安く、体型補正の自由度が高い点が特徴です。
生地やデザインの質感には価格相応の側面もありますが、「とにかく予算を抑えたい」「既製品では合いにくい体型」という人には現実的な選択肢です。
オーダースーツの入門として選ばれるケースも多いブランドです。
KASHIYAMAは、「オーダースーツは時間も手間もかかるもの」という従来のイメージを効率化によって覆したブランドです。
ただし、その合理性が強みになる人もいれば、物足りなさにつながる人もいます。ここでは、実際の検証結果をもとに、向き・不向きを整理します。
以下に当てはまる人は、KASHIYAMAの強みを実感しやすいでしょう。
一方で、次のようなタイプの人は慎重に検討した方が無難です。
今回の検証を通して見えてきたのは、KASHIYAMAが提供しているのは単なるスーツそのものだけでなく、購入から着用、管理に至るまでの一連の手間をできるだけ軽くする仕組みだという点です。
納期の早さや注文プロセスの簡略化、シワになりにくい設計、一定期間のお直し保証といった要素が、その実用性を支えています。
一方で、老舗テーラーならではの空気感や、細部まで徹底的に作り込むフルオーダーの満足感を求める人にとっては、選択肢が限られると感じる場面もあるでしょう。
KASHIYAMAは、あくまで万人向けに最適化されたオーダーであり、尖ったこだわりを叶えるブランドではありません。
その前提を理解したうえで、外れにくい品質のスーツを、できるだけ少ない労力と時間で手に入れたい人にとっては、有力な選択肢の一つと言えます。
忙しい日常の中で、スーツ選びにかける負担を減らしたいと考えているなら、一度検討してみる価値はあるでしょう。
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