スーツ姿で食べるラーメンの注意点とラーメンシミを取る方法について

現在、ラーメンの店は日本全国で約32,000店舗あり、東京都は約3,300店舗と約1割を占める断トツの1位となっています。ラーメンは、多くの人々に愛される国民食ですが、スーツ姿で楽しむ際に悩ましいのが「シミ」の問題です。特にビジネスパーソンにとって、ラーメンの汁がスーツに飛び散ると、簡単には落とせない厄介な汚れになりがちです。本コラムでは、スーツ姿でラーメンを食べる際の注意点や、万が一シミがついてしまった場合の対処方法について詳しく解説します。

ラーメンの汁のシミが取れにくい理由

シミの種類には、大きく分けて「水溶性」と「油溶性」の2種類があります。

基本的に、ラーメンのスープには油分が多く含まれていますが、その他にもタンパク質といった水溶性の成分も含まれています。

そのため、ラーメンのシミは「油溶性」と「水溶性」の両方が含まれる「混合性」タイプになります。

混合性のシミは、水溶性の汚れを油分がコーティングしているのが特徴で、一般的な洗濯用洗剤だけで落とそうとしても簡単には落ちにくいです。

洗濯によって一見シミが取れている様子に見えても、繊維に油の成分が残っているケースも少なくありません。

また、タンパク質を含んだシミは、時間が経つとシミの酸化が進んで、黄色く変色してしまう原因となります。

さらに、衣類についたタンパク質を好む虫が、生地に穴を開けてしまうため注意が必要です。

シミ取りの応急処置のポイント

ラーメンのシミを取るためには、迅速な処置が重要です。

あまり目立たないからと放置すると、スーツの生地にトラブルが発生してしまうので注意しましょう。

正しい方法で応急処置しておけば、帰宅後の洗濯によってシミが落としやすくなります。

ここから、外出先でシミ抜きの応急処置をする際に知っておくべきポイントをご紹介します。

• なるべく早めに応急処置をする
• おしぼりはなるべく使用しない
• こすらずに優しく叩く
• シミの外側から内側に向かって叩く

シミができてから時間が経つと、シミが繊維の奥まで染み込んでしまうため、汚れがついたら帰宅まで放置せず、なるべく早く応急処置をしましょう。

また、ラーメン店やレストランなどのおしぼりをシミ抜きに使う場合は注意が必要です。

一般的に、飲食店に置いてあるおしぼりは白さを保つために塩素系漂白剤で処理されていることが多いため、衣類の色落ちにつながる可能性があります。

なお、焦っているとどうしてもやってしまいがちですが、シミをこすって落とそうとするのはNG行動です。

繊維に汚れをこすりつけると、よりシミが取れにくい状態を作ってしまいます。必ずこすらずに優しく叩いて、汚れを落とすようにしましょう。

ほかにも、シミ抜きはシミの外側から中心に向かって落としていくのもポイントです。

中心からシミを落とそうとすると、汚れが外側に広がっていきやすく、輪ジミになる原因となります。

自宅で行うラーメンのシミ取り方法

外出先での応急処置だけでは落とせなかったシミは、自宅で本格的にケアを行いましょう。

ラーメンスープの場合、基本的なケア方法は食器洗い洗剤を使用したものです。

まず、汚れが生地へ浸透するのを防ぐため、乾いた布で軽くつまみ、水分や油分を取り除いておきましょう。

その後は、ご家庭で常備してある食器洗い洗剤を使用します。

台所用の中性洗剤は油汚れを落としやすい性質があるので、油分を多く含むラーメンスープのシミ抜きに適したアイテムです。

【食器洗い洗剤を使用したシミの落とし方】

1. シミが付いた衣類の下に布を敷く
2. シミに少しずつ食器洗い洗剤をたらす
3. 洗剤の上から白い布でトントン軽く叩く
4. シミを上下の布に移す
5. 上下の布の位置を変えながら、叩いている白い布に汚れがつかなくなるまで繰り返す
6. つまんで水洗いを何回か繰り返す

大抵のラーメンスープはこのケア方法でシミが落ちてくれます。

ただし、時間が経った頑固なシミは、食器用洗剤では落としにくいケースもあります。

そのような場合は、メイク用のクレンジングオイルを試してみましょう。

クレンジングオイルは、油を溶かす成分が含まれているため、油シミを落とす効果が期待できます。

なお、クレンジングアイテムにはリキッドやジェルなどもありますが、洗浄力が最も高いのはオイルです。

クレンジングオイルを使用する際も、食器洗い洗剤を使用した場合と同様に、シミが付いた衣類の下に布を敷いてからスタートします。

【クレンジングオイルを使用したシミの落とし方】

1. シミ部分にクレンジングオイルを塗る
2. シミとよく馴染ませて約5分放置
3. ぬるま湯を使用して湯の濁りがなくなるまですすぐ
4. すすぎ終わったら自然に乾かす

なお、クレンジングオイルは水に弱いという性質があるため、衣類が濡れている状態でクレンジングオイルを使用すると、油汚れを落とすレベルが低下してしまいます。

そのため、衣類が十分乾いている状態でスタートするようにして下さい。

クリーニング店にシミ取りを依頼するメリット

最近では、水性と油性の両方のシミに対応したシミ抜き用洗剤も市販されていますが、自宅でシミ抜きをしようすると、色落ちしたり生地が傷んだりする原因になります。

クリーニング店でシミ取りを依頼するメリットは、プロの技で安全にシミを取ってもらったうえで、衣類を清潔にできる点です。

「大切なスーツだから傷めたくない」といった場合のシミ取りは、クリーニング店に依頼することをおすすめします。

クリーニング店に依頼するときのポイント

クリーニング店に依頼するときのポイントは、気になるシミ部分を受付時に伝えることです。

クリーニング時に汚れを見落とされて、シミが残った状態で返されるのを防ぐためにも、事前にシミの箇所を伝えておきましょう。

クリーニング店に依頼する際に、衣類についてしまったシミの存在を伝えると、「シミ抜き」メニューで取り組んでくれます。

また、クリーニング店に依頼しても、落とせないシミがあることを理解しておくことも重要です。

汚れてからどのくらい時間が経過しているかによってもシミの落ちにくさは変わり、時間が経てば経つほど落ちにくくなっています。

さらに、衣類の種類によっても、シミ取りの難易度は変わります。たとえば、綿素材よりも絹や羊毛といったデリケートな素材の方が、より高度な技術が必要です。

クリーニング店に依頼したからといって、全てのシミを落とせるわけではないということを把握しておきましょう。

クリーニング店のシミ取り料金や期間の目安は？

ここから、クリーニング店のシミ取りにかかる料金や期間の目安をご紹介します。

【シミ抜きにかかる料金】

シミ取りには、無料のものと有料のものがあります。

落としやすい汚れであれば汚れなら無料で対応してくれるケースもありますが、落ちにくいシミは有料になる場合が多いです。

シミ取りの料金は、シミの種類や大きさによって異なります。一般的な相場は約1,000円～5,000円です。

ただし、シミ取り専門の店に依頼する場合は、他店では落ちないような頑固なシミも落とせる分、料金は上がって10,000円以上かかるケースもあります。

【シミ抜きにかかる期間】

無料で行えるレベルのシミ取りであれば、通常のクリーニング同様で1週間前後が目安となります。早ければ2日～3日で完成する場合もあります。

有料のシミ取りの場合は、最短でも1週間～2週間ほどはかかり、状況によっては1ヶ月～2ヶ月ほどかかるケースもあります。

シミ取りをクリーニングに出したいと考えている場合は、戻ってくるまでにある程度期間がかかることを考慮して依頼しましょう。

クリーニング店のシミ取りはどのように行う？

クリーニング店のシミ取りは、まず衣類の繊維を確認し、どのような種類のシミかを見極め、油性から水性の順番にシミを除去していきます。

これらのシミ取りで落ちなかった場合は、シミがある部分に漂白剤をつけて、時間をかけて入念に漂白します。

また、店舗によっては独自開発したオリジナル洗剤を使用して、シミ抜きを行っている場合もあります。

シミを除去した後は、衣類全体のチリやホコリなどをクリーニングで洗い流していきます。

スーツに付いたラーメンシミを取るには